2016年 04月 12日

魔法少女チンパンジー NG集

随分遅くなってしまいましたが、魔法少女チンパンジーの没ネームを公開します。

僕はもともとストーリー漫画でのブロンズルーキー受賞でしたし、ギャグを描いてみてほしいというオーダーには戸惑いながらのスタートでしたが、おかげでギャグマンガの描き方がわかってよかったです。


一番最初のバージョンです。これを担当さんにみてもらって気に入って頂き、その後半年にも渡るチンパンジーとの戦い(ネーム直し)が始まったのでした…。今とはだいぶ違い、マワシくん(猿回し)っていうスミレちゃんの彼氏が出てきまして、むしろ彼が主人公みたいな感じです。



打ち合わせで東京に呼んで頂き、その日まで時間があったのでほとばしる情熱を勝手にぶつけて描いちゃったNGその1の二話だった気がします。連載になるかもしれんから今のうちに描いておこう!とか思ってました(笑)しかし、魔法少女チンパンジーは、まどマギのパロディなんだっていう意識が芽生え始めた一本ですね。



担当さんと打ち合わせを重ね、何度か直した状態のやつです。「その1」は11ページしかなくて短すぎたので、色々な要素を膨らませてみることになりました。しかし、なんだか本筋と関係ない悪の組織がダラダラと出番をもらっていたりして、これは違うんじゃないかな~という話になり、NG。商業の壁高ぇ!と思いつつもこの頃はまだウキウキしながら書いていました。背景に映る天王寺動物園の背景写真とかロケハンまでしててノリノリだったのがわかります。そんな写真素材ですが、掲載バージョンでは結局使わなかったのでした。




担当さんに、ライバルとか出して盛り上げようって言われて、「出したら良いのか」って単純に出してみたら面白くならなかった感じです。今にして思うと担当さんのアドバイスをよく考えずに機械的に取り入れて右往左往していたような気がします。言われたことを自分の中で一旦消化して、自分の言葉に紡ぎ直す、というのが大事なのかな…なんて思いつつ、結局どうしていいかわからず、この後も迷走は続くのです。200ページくらい。

たまにペンが入ってるページはペン入れのやり方忘れないように待ち時間に入れてました




直しすぎてわけがわからなくなってきて、泣ける話にしてみようか…とか思ったんですが、「猿の魔法少女で泣けないよ」って担当さんに言われてまさにそのとおりだった一本です。スミレちゃんのパパがでてきます。作者の心理状態としては、度重なるネーム直しで自信を喪失して病気みたいになってきていた頃ですね…


没ネーム生活にも慣れてきたしゃど地蔵くん。
スミレちゃんとマワシくんのラブコメみたいな部分を意識して描いたバージョンです。チンパンジーと付き合ったらこういうことあるよね、っていうコンセプトだったのかなあ。ツメは甘いですが、没ネームの中ではわりと面白い気がします。

でもこれも没で、まあお金もらって描くからには当然の結果だなと思うんですが、心が折れました。
チンパンジーが大好きな僕でさえ、200ページもの没ネームを描いていたら、もうチンパンジーを描くのも嫌になってしまったのです…

一旦魔法少女チンパンジーは棚上げし、他のネームをやることに。

そして忘れかけた頃、別のアイデアがでました。マワシくんとか解雇して、もっとシンプルに「モテたくて魔法少女になろうと思った女の子が騙されて猿になる。猿だからモテない。ワロタ」っていう簡潔に説明できるコンセプトを思いつきました。それに僕は女の子主人公のほうが感情移入して描けます。そうして描かれたネームは、まあ何度か直しはあったものの、柔軟に対応することができ、結局着想から1年くらいかかりましたが、掲載にこぎつけることができました。

漫画の直しの沼にはまったときは、そもそも基本システムが面白いのか?っていうところを疑ってみるといいのかもしれないですね。NG集に共通するのは「猿の女の子が好きな少年がその子を許容する」っていうシステムで動いてて、「あ、そうですか」ってなもんなんです。結局マワシくんは許してくれるだけだから、ジレンマがないので面白くならなかったわけですね。かといって掲載バージョンの腹黒スミレちゃんも人気あんまりでしたけど(笑)

NGバージョンはまだありますが、似たようなのが多いので、UPするのはとりあえずこれだけです。付き合ってくださった担当さん、読者のみなさんに感謝です。2015年はチンパンジーばっかいじってましたが、「魔法少女チンパンジー」という題材に正面から向き合い続けた結果、今までになく成長することができた一年間でした。ありがとうございました!