[大冒険] 大阪、エキサイティングシティ西成の泥棒市にいってきたぞ!の巻

まず生きて帰ってこられた事を報告します。
なお、泥棒市そのものの写真はありません。余所者が生意気な事をしたらすぐにでも刺されそうで、目立つ場所でとても撮影なんてできませんでした。
20060313-060311_02.jpg
地下鉄御堂筋線 動物園前駅から徒歩数分、あいりんセンター。泥棒市はこの職業安定所から萩之茶屋商店街辺りにかけて、毎日早朝5時頃~9時迄、特に日曜日は規模も大きくなるという。そうそう、日曜に開催されるんじゃなくて、毎日やってるけど日曜は大規模だよって話の間違いでした。
あいりんセンターの上は病院になってるみたいだ。凶暴な魔物が院内に侵入しないよう鉄格子に囲まれている。決して運ばれてきたヤク中が窓から飛び降りるのを警戒していたり、治療費を踏み倒して窓からバックれるやつがいるから…という訳ではないだろう。きっと。


残念ながら今日の天気は雨ということで、露天もまばらだったようだ。しかし西成初心者で無職ヒキコモリの俺が単独潜入して無事生きて帰ってこれたのは、雨で市場が小規模だったおかげかもしれない。そう考えれば悪天候も幸運だったと言えよう。
20060313-060311_03.jpg
動物園前からあいりんセンターへと続く道には新興住宅街が広がる。西成は福祉が充実しているので家賃はタダである。
一昔前の長居公園(近所の大規模公園)はこんな感じだったので、さほど驚くようなものではなかったな。
20060313-060311_04.jpg
ホームレスのおっさんが飼ってる犬。ホームレスと犬は基本的にセット。彼らは犬で家族愛を補っている。そこらへんの住宅で飼われている犬の何倍も愛されているせいか、ホームレス犬は名犬ばかりだ。主人が行くところ縄もなく忠実について回り、名前を呼べばそれだけで意思を理解して望む行動をとる。ほんとに賢い犬ってのはそういうもんだ。ホームレス生活は極限状況だから、ホームレスのおっさんを頂点にある種の群れ社会を形成しているのかもしれない。
この犬は静かに近寄ってきて、うるうるした目でこちらを見てきた。声をかけると手を舐めてきて、物欲しそうな顔をする。こうしていつも通行人にエサをねだっているのであろう。
頭をなでてやると嬉しそうにしっぽを振っている。ははは、こやつめ。そしてふと我に返り手の匂いをかいで見る。犬くせえなんてもんじゃねえよ、ホームレスくせえよ畜生!!
20060313-060311_05.jpg
ホームレスの青テントはもはやテントと呼べる程度の代物ではなく、床、壁、ちょうつがいのついたドアまである。ドアには撤去勧告の張り紙が何度も貼り付けられては剥がされた形跡があった。
テントの撤去は無意味らしい。それはゴミをホウキで蹴散らすだけで、時間がたてばすぐ元通りになるそうだ。まずホームレスを減らさない事には始まらない。
20060313-060311_06.jpg
あいりんセンター前交差点の信号。なにやらスピーカーがついており、青になると「歩行者用 信号が 青に かわりました。  歩行者は 気をつけて 渡りましょう」、赤になると「歩行者用 信号が 赤に かわりました。 歩行者は 信号が 青になるまで 待ちましょう」というようなナレーションが放送される。鳥の鳴き声が聞こえるやつは知ってますけど、こんな物始めてみましたよ。そんなに交通事故が多いのか?それともこれも部落利権のなせる業か?真相は不明だ。
なお、この交差点を渡った時点で世界は一変する。職業安定所であるあいりんセンターの周辺にはホームレス、もしくはホームレスのような格好をした日雇い労働者のおじさんたちが多数…明らかに空気が違う。…魔界。そうだ。あいりんセンターから先は、エンカウント戦闘ありの魔界である。
俺は長年の経験から生命の危険を感じ、背後や側面に気を使いながら慎重に歩みを進めた。
泥棒市は文字通り泥棒市だった。作業服、壁掛け時計、音楽プレイヤー…規則性無く日用品が売られている。これだけなら一見ただのリサイクルショップだが、他にも様々な怪しい店がある。
コンビニの廃棄弁当を数十円で売る謎の業者。人だかりが出来ていて「ひょっとして賭博?」などと近寄ってみれば、生ゴミのように無造作に箱詰めされた弁当や菓子パンを労働者に売りさばいていた。
立喰そば100円。改造軽トラックで経営している移動そば屋。一瞬美味そうな匂いかと思ったが、パーキングエリアのそばっぽい匂いだと気づいて正気を取り戻した。あと”立食”じゃなくて”立喰”なのが怖い。
あさり屋。1パック一山50円という謎価格のあさりを地面に置いて行商するホームレス系のおっさん。どこのあさりだよ…盗品か?たぶんあんなの食ったら死ぬと思う。魚とか他の魚介類は一切なくて、あさりのみ。やつの目的はなんなんだ…。
クスリ屋。日用品に混ざってバイナグヤ(バイアグラの間違いだと思われる。韓国人?)が置いてある。その隣にはラベルのついてない値段も書いてない謎の処方薬が数点。恐らく睡眠薬の類か。個別交渉すれば、精神安定剤や覚せい剤みたいな、ヤバゲなドラッグも売ってくれそうな気配があった。まぁ、ヤクの売人はたちんぼが別にいるらしいから、詳しくは分からない。
おでんセット屋。これまた出所不明な怪しいおでんセットを売る汚いオヤジ。値段もかなり安かった気がする。最初おでんセットはたくさん並んでて、次に通りかかったときにはほとんど売り切れだった。需要あるんだな…おでんセット…。
雨ざらし酔いつぶれホームレス。どうみてもゴミにしか見えないガラクタを並べ、酔いつぶれて寝てるホームレス風のおっさん。道路の橋の下で開いてたけど、はじっこすぎて普通に商品は雨ざらしでぐちょぐちょ、ゴミっぽいものが完全なゴミになっていた。ちなみに内容は古いVHS、カセットテープ、ぬいぐるみなど。
20060313-060311_14.jpg
裏ビデオ/DVD屋。これは半分以上を占める。露天のメインらしい。一本1000円が相場。500円で挙動不審なホームレス風のおっさんから買ったDVDは、一本は無修正じゃなく、もう一本は途中でデータが破損してる不良品だった。調子にのって4000円分も買っちゃったけど、よく考えたら無修正エロ動画なんてネットで落とせる…。ちなみに買ったビデオを2本買った店に持っていくと、新品1本と取り替えてくれるシステムが一般的らしい。西成はかなりエコロジックだ。100円で性器モロ写真を売る店もあった。多分ビデオデッキを持ってないホームレスに需要があるんだと思う。
他にも色んな店があったのかもしれないが、どれも衝撃的すぎて記憶に無い。今後、2度3度いけばさらに詳しいリサーチが可能かもしれない…。
話はかわって、遭遇した変な人の話をしましょう。
満面の笑顔でリアカーを押すホームレス。何かヤってそうな雰囲気。
商店街のT字路で立っていて、俺が近づくと「あの100円…ぶつぶつ…」と話しかけてくるホームレス爺さん。今までホームレスはたくさん見てきたけど、物乞いなんて始めてみた…。
泥棒市を歩いていると、妙なババアがこちらを見ている事に気づいた。目はあわせず歩きながら視界の隅で様子を伺っていると、突然の奇声。『天はばうrぬばr・・・財産・・・べりbないうヴぁrヴぁだsdきァィィエィエエアァアイオァァ!!』どう見てもこっち見ながら叫んでる。すげえ殺気w。多分俺が西成っぽくない身なりだったから、侵入者の存在を本能的に感知したんだと思う。たまにホームレスでいる、キチガイババアだった。つーか女のホームレスってキチガイ多い気がする。数が少ないせいもあるかもしれないけど。
その他、写真。人通りが少ないところでは写真を撮る余裕があった。
20060313-060311_07.jpg
ジュースが異様に安い。カップに注がれて出てくるタイプのやつだから、もしかして水で薄めてるんじゃ…。
20060313-060311_08.jpg
かといってこっちは缶だけど異様に安い。
どうなってんだ、あいりん地区の物価は?
20060313-060311_12.jpg
こっちはお米。何者かが見本を奪おうとディスプレイを殴打した痕跡がある。
20060313-060311_09.jpg
中身の入ってない神棚、っていうか、ミニ寺?よくわからんけど、中身はグラスに入った水だけだった。ここは地蔵まで盗まれるのか?
20060313-060311_10.jpg
路地裏。古めかしい長屋がたくさんある。そしてその二階の窓からは謎の老婆がこっちを凝視している。これにはマジでびびった。で、その後遠くからこの写真撮って、後から写真みてまたびっくり。↓
20060313-060311_01.jpg
分かりにくいけど、ババア顔出してまだ見てるwww。こええw。やっぱ尋常じゃねえな、この街。
20060313-060311_11.jpg
すごく場違いだ。50円の弁当食って70円のジュース飲んでる客に高級料理なんて食う金あるのか?とても謎だ。でもひょっとすると…↓に続く
20060313-060311_13.jpg
飛田新地料理組合というのは料理の組合ではなく、2ch西成スレの住人によると売春宿の組合だという噂がある。飛田は昔から売春街として有名みたいだ。ふぐ料理屋というのは実際にふぐ料理が出るのではなく、ふぐ料理に相当する額を支払ってサービスを受ける店…なのかもしれない。真相は不明。確かめるには店に入ってみるしかないけど、絶対病気うつされるよね・・・。
以上、西成探検の様子でした。雰囲気的にはまさしくスラムって感じ。だけどすきあらば荷物を殺して奪うとか、サイフを掏るとかそういうタイプじゃなかった。底辺ながら底辺には底辺としての秩序が形成されてたな。みんな金儲けの手段を別にもってる感じで、市場に来た客を襲うような事はしないようだ。UOの盗品ショップもそんな感じだったな。そしてエロビデ屋のおっさんがやさしかった。さすが人情の街と言われる場所である。じゃりんこチエみたいだったぜ。廃人みてーなホームレスも多いけどな。とりあえず眠いから今日はここまで。もし追記があったら明日書きます

7件のコメント

  1. 泥棒市ってのは、まあ本当にどっかからくすねてきたものもあるかもしれんが
    出所の判らない品って意味合いもあるようだ。

  2. そうらしいな。盗品のほかにゴミを拾ってきて売ってるってケースも多いみたい。まったく西成たんはエコロジックだなぁ。

  3. 西成は一度だけ、高校二年生のときにいったことがある。
    ぬくぬくと田舎で安全に育った俺には衝撃が強すぎたけど、東京とかを見てきたいまになってもきっついな。
    世間知らずには路上生活者がショックだったもんだ…。なつかしい。

  4. っと、なんかこないだヨハネスブルグに関するサイトを見たばっかりだからフラッシュバックもしたな。
    ちょっとこれの下の方がまとめてある。
    http://planet-d.hp.infoseek
    ここまでではないとはわかるけど、スラムってこぅえー。まじこぅえー…。

  5. >・中心駅から半径200mは強盗にあう確率が150%。一度襲われてまた教われる確率が50%の意味
    ワロス
    西成はそこまで暴力的じゃないな。退廃的で貧乏で臭いが酷いけど…。多分ヤクザが悪事の方向性を整えてるんじゃないかなー

  6. 西成は一生に一度は観光すべきだな。電車でいけるインド旅行、エキサイトシティ西成だぜ。

  7. どこも住めば都で西成も1ヵ月もいると快適になるで!
    俺は初めて泥棒市に仕事の道具を買いに行ったら1週間前に盗まれた俺の名前が書いた電気ドリルが売られてた!!
    これは俺のもんだと主張してみたが売主には関係ない話で自分の道具をまたお金を出して買うはめに!!
    やはりここは泥棒市やったわ

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください