(お知らせ)2016年6月16日(木)発売の週刊ヤングジャンプ29号に「JK観音さま」が掲載されます。悟りを開いた女子高生観音様が現代社会の誘惑に惑わされるコメディです。紙の雑誌デビュー作なので嬉しいです。よろしくお願いします! pic.twitter.com/TliwLLmBkW
— しゃど地蔵くん@6.16 YJ29号掲載 (@SyadoZ) 2016年6月13日
ツイッターなどでは告知していたのですが、2016年4月に週刊ヤングジャンプで
「JK観音さま」という作品でシンマン賞、期待賞を頂き、6月16日発売の29号に掲載して頂いたりしました。
期待賞は掲載確約ではないのですが、載せて頂けて、死んだ娘が実は生きていた的な嬉しさがありました!
さて、この記事では「JK観音さま」について振り返りたいと思います。
作品ができるまでって感じのお話です。
まず、最初に決めていた事は、ジャンプ+に掲載して頂いた
「魔法少女チンパンジー」のスミレちゃんは腹黒いのが面白かったけど
今度は逆に善良なキャラクターを主人公にした漫画を描いてみたい、というのが出発点でした。
そしてしゃど地蔵くんが好きなものといえば女子高生と仏教哲学なので
好きなもの2つを組み合わせたら面白くなるんじゃないかと単純に考えました。
(好きなものというのはやっぱりよく知っているものなので、
脳内にネタがたくさんあるためか、面白くなりやすい気がします。)
で、産まれたのが女子高生の観音さま(仏)っていうキャラクターです。
仏教といえば、仏陀っていう超有名なキャラがいますね
「仏陀的なキャラクター」というのはずっと前から描きたかったモチーフなのですが、
悟りを開いているということは「何も執着がない」ということであり
それは物語のキャラクターとしてとんでもない欠陥であるということが
構想を練っているうちにわかってきました。
なぜならキャラクターとは欲望そのものであり、「なにがしたいやつなのか」がキャラクターだからです。
強いヤツと戦いたいから悟空だし、海賊王になりたいからルフィだし、恋してるから乙女なのです。
悟るということはそれら一切を投げ捨て、静かに座っているだけで満足してしまうということ。
人間の幸福論としては究極的ともいえる無敵の生き方なのですが、
物語のキャラクターとしては、まあ、「お話」にならないわけです。
手塚治虫先生の「仏陀」も、お釈迦様が仏陀になってからではなく、仏陀になっていく道中の物語でしたね。
つーわけで一筋縄ではいかないこのモチーフ、JK観音さまは結構難産でありましたが
ヤンジャン担当編集氏の協力などもあり、最終的に「JKだからまだちゃんと悟れてない」というキャラクターになりました。
仏陀として振る舞おうとする(欲求)けれど、JKなので上手くできなくて(葛藤)、おもしろ可愛い(結果)、っていうキャラですね。
脇役として観音さまをヨイショするけどすぐ煩悩に流される弟子アーナンダちゃん
宿敵として観音さまと逆に二人を堕落させようとしてくるマーラちゃん
という3人の「トリオ漫才のシステム」を構築し、ネームにとりかかりました。
このように「面白くなるシステム」が完成してからは結構すぐ形になった気がします。
今またシンマン賞に出してる別の作品もあるんですが、
そっちもシステムを最初に構築したら結構簡単に面白くなって、企画通ったりしました。
漫画のシステム論みたいなのもいつか書いてみたいですが、今日はここまでです。
長文お付き合いいただきましてありがとうございました!
JK観音さま、おもろいんですけど・・・
大日如来でなく、そこは阿弥陀仏だと思います。
印相もそうなってますよね・・・
ヤンジャン!アプリでご覧いただいた読者さまですね。ご感想ありがとうございます!
仏教好きなんですが、初期仏教哲学が興味の中心で、正直大乗はわりとニワカでして…
仏教をキャラクター化すると自然と大乗仏教になったんですね。
同じように大乗仏教は仏教を人々に伝えるため発展したのだと思います。
ちなみに大日如来のネーミングは、菩薩→如来と進化するというのから決定しました。
もし続きを描く機会があれば、密教などについても詳しく勉強したいと思います。