しゃど地蔵尊 https://syado.muhoho.com 漫画家 しゃど地蔵公式サイト Wed, 24 Aug 2022 13:58:52 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.22 https://syado.muhoho.com/wp-content/uploads/cropped-maoudotL-1-32x32.png しゃど地蔵尊 https://syado.muhoho.com 32 32 「キャラ物日常生活漫画」の3分類 https://syado.muhoho.com/2022/08/24/%e3%80%8c%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%a9%e7%89%a9%e6%97%a5%e5%b8%b8%e7%94%9f%e6%b4%bb%e6%bc%ab%e7%94%bb%e3%80%8d%e3%81%ae%ef%bc%93%e5%a4%a7%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%ab/ https://syado.muhoho.com/2022/08/24/%e3%80%8c%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%a9%e7%89%a9%e6%97%a5%e5%b8%b8%e7%94%9f%e6%b4%bb%e6%bc%ab%e7%94%bb%e3%80%8d%e3%81%ae%ef%bc%93%e5%a4%a7%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%ab/#respond Wed, 24 Aug 2022 07:21:01 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=7258 こんにちは、しゃど地蔵です。

今、キャラ物漫画の企画を作っています。ドラえもんとかおばけのQ太郎みたいな、主役のキャラクターがいて、そのキャラを中心とした話をやるジャンル。あんまり長大なストーリーとかなくて、一話完結が多いですね。

で、色々研究を進めているのですが、備忘録として気づいたことを記事にしてみました。

なお、キャラ物でも、強大な敵と戦っていたり、世界を守っていたりするヒーロー物のようにシリアスな作品もありますが、そういうのはストーリー漫画になっていきますので、例外となります。今回解説するのはコメディです。

例として上げるキャラ物漫画一覧は以下です。まとまりごとに特徴があるので予想してみてください。

・ドラえもん
・花さか天使テンテンくん
・忍者ハットリくん

・おばけのQ太郎
・ケロロ軍曹
・侵略!イカ娘
・邪神ちゃんドロップキック

・干物妹!うまるちゃん
・まもって守護月天!
・To Loveる
・うる星やつら

まず、前提となるキャラ物漫画の大原則

「外の世界からやってきて、一般家庭に居候して、日常生活をする」

っていうのがめちゃくちゃ多いです。

例に上げているすべての作品が、主人公である平凡な一般人の家庭に「居候」をしています。キャラ物漫画は、「未来」だとか「忍者の里」みたいなところからやってきた異邦人が一般家庭で日常生活を送るというのが基本のようです。一緒に暮らすっていうのは、主役キャラクターと主人公(=読者)の「カルチャーギャップ」を一番長時間、間近で観察できる効率的な設定なんでしょうね。

ここからは作品を3つに分類し、さらに分析を進めていきます。
1巻しか読んでない作品も多いので、基本コンセプトのみの研究です。
連載が長期化したあとの変化球的な展開は、例外とさせてください。

A/善き友型

・ドラえもん(ひみつ道具でのび太くんの願いを叶える)
・花さか天使テンテンくん(才能の種で主人公に様々な才能を芽生えさせる)
・忍者ハットリくん(主人公の善き友として忍術で活躍する)

不思議な力でささやかな魔法を行使し、主人公の悩みを解決します。
ドラえもんみたいな感じ、とイメージするとわかりやすいです。基本パターンかも。
福の神のような存在です。

B/怖くない悪役型

・おばけのQ太郎(怖いおばけだと思ったら優しくて友達になれた)
・ケロロ軍曹(地球侵略を企む宇宙人かと思ったら、まぬけで全然怖くなかった)
・侵略!イカ娘(地上侵略を企むクラーケンかと思ったら、まぬけで可愛かった)
・邪神ちゃんドロップキック(恐ろしい邪神かと思ったら家主が強すぎて尻に敷かれた)

おばけ、邪神、侵略者などのネガティブなイメージを持った存在が、それとは裏腹に、弱かったり優しかったり。
緊張させてから、安心させてくれます。A/善き友型ほど善良ではないのでハートフルな展開は若干苦手ですが、かわりに悪巧みもするので享楽的で、ギャグの切れがある。

C/ヒロイン型

・干物妹!うまるちゃん(外では美人、家ではぐーたらな妹を兄が養育する)
・まもって守護月天!(主人公を守護する精霊と同居する話)
・To Loveる(宇宙から嫁がくる)
・うる星やつら(宇宙から鬼嫁がくる)

A/善き友型と似ていますが、嫁ができるという形で男性を幸せにします。可愛い女の子は家にいるだけで男を幸せにしてくれる。ラブコメですね。

うまるちゃんは、あまり詳しく描写されてないですが、兄・タイヘーの家に転がり込んできた居候らしいです

まもって守護月天!のシャオリンは、もし強い敵がいたらストーリー漫画のバトルヒロインになるんでしょうが、強大な敵がいないので、実質ただの嫁。しかもA/善き友型とはむしろ逆で、社会常識無いので主人公に守られる、弱い女性キャラクターとして描写されている面もある。

女の子キャラがドラえもんみたいな大活躍をして、しかも恋愛対象として人気がある作品ってありますでしょうか?ありそうだけど、有名なのはあんまり思い浮かばないな…女の子が活躍しすぎると、多分、どっちつかずになる。これはB/怖くない悪役型にも言えて…

うる星やつらのラムは侵略しにきた宇宙人ですし、B/怖くない悪役型に片足突っ込んでいる。
しかし女の子を可愛く見せる、恋愛をやるという縛りがあるので、あんまり女の子をお笑い芸人にして、過激なギャグをやらせるわけにもいかない。イカ娘、邪神ちゃんのラインまで行っちゃうと、面白いけどロマンチックな恋愛対象(ヒロイン)にならない。うる星やつらの笑いはあくまでもラブコメ的な笑いであり、キャラクターとしてのラムはC/ヒロイン型

やっぱり、A/善き友型B/怖くない悪役型と、C/ヒロイン型は面白さの核となる部分が違います。ヒロインは強すぎても面白すぎてもよくなくて、C/ヒロイン型は独立したカテゴリーにするべきなのではないかと思います。

以上のように、キャラ物漫画は3つに分類でき、不思議な共通点として、だいたいみんな居候をしています。

まず、キャラ物はキャラクターの魅力が最優先。そして、そのキャラがどのタイプ向きなのかを考えれば、設定を固めていく上での助けになるかと思います。ドラえもんっぽければ相棒はのび太がいいですし、ケロロ軍曹やイカ娘のようなヘタレ侵略者だったら、強くツッコめるしっかりしたキャラにするといいでしょう。また、ケロロ軍曹が宇宙テクノロジーでドラえもんみたいなことをやりはじめたら、冬樹くんはのび太じゃないので必然性がないし、本筋からは脱線して、非効率的な展開になってて、純粋なドラえもんより不利ってことですね(ケロロ軍曹あんまりちゃんと読んでないので、ドラえもん展開めっちゃやってたりしたらすみません)

キャラ物漫画を描きたい漫画描きさん、プロデュースしたい編集者さんのご参考になれば幸いです。

]]>
https://syado.muhoho.com/2022/08/24/%e3%80%8c%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%a9%e7%89%a9%e6%97%a5%e5%b8%b8%e7%94%9f%e6%b4%bb%e6%bc%ab%e7%94%bb%e3%80%8d%e3%81%ae%ef%bc%93%e5%a4%a7%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%ab/feed/ 0
ビー玉ウォーズ https://syado.muhoho.com/2021/10/03/%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e3%82%a6%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%ba/ https://syado.muhoho.com/2021/10/03/%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e3%82%a6%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%ba/#respond Sun, 03 Oct 2021 08:03:12 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=7016

こんにちは、しゃど地蔵です。

ビー玉で子どもたちと楽しく遊ぶボランティア活動をご紹介してきたこのシリーズ。
今回は、活動していた公園で、個人的な花壇を勝手に作っている(犯罪です)謎の老人とトラブルになったときの話です。
ボランティア活動の詳細について、詳しくは公園のカテゴリをご覧ください。

ちなみにこちらの活動ですが、コロナ禍が本格化し始めたのと僕が連載で忙しくなった2020年春にひっそりと終了しました。このお話は2018年~2019年の出来事です。

公園のヌシがあらわれた

さて、とある小さな公園で自然発生したビー玉カルチャーなのですが、実はこの公園には先住民とも言うべき「ヌシ」がおりました。

この老人は公園の一角にブロックを積んで「花壇」を作り、こどもが近づくと怒る。おまけに周囲にはアルミ製物干し竿をパイプカッターで切って針金で組んだベトコンのブービートラップみたいな手製の柵があって、それで子どもたちが何人も怪我をしていました。僕がビー玉遊びを初めたことで子どもが増えたら、お前のせいで子どもが花壇に近づくとかいって怒ってきたんですよね…それで、「なんかこの公園、やべえヌシみてえなのいるぞ…」って気が付きました。ヌシは、自分は大阪市に雇われた管理人だ、とか自称して色々命令するかのように言ってきてましたが、調べてみると嘘でした。。。

「公園愛護会会長」なる肩書をもつのは確かでしたが、それは自治体から補助金をもらって公園の清掃などを手伝うボランティア活動家という立場です。公園管理事務所がお金だけ出して長年放任してきたから、自分が一番偉いんだ、管理を任されているんだと変なふうに勘違いしちゃってたみたいですね。僕が関係法令を調べた限りでは、公園に勝手に花壇や農地を作る行為や、利用者に排除命令を出すっていうのは、当然ですが法律で禁止されており、ヌシの行動は違法行為であると言えました。まあ常識的に考えておかしいんですけど。

とりあえず…最初は機嫌をとってどうにかしておく方向で誤魔化してました。子どもたちにはヌシ花壇に近づかぬよう教育し、ヌシにもその事を説明して、共存を図りました。でもプレイヤーは増えていくし、そうなるとヌシもおこだからトラブルになるわけですよね。で、会話していると同じ話題がループしたり、上記のようにすぐバれる嘘を連続でついてきたりヌシの挙動はかなり怪しい。80代の人だったので、もしかしたらボケていたのかもしれないです。あるいは民度が低いだけかもしれないが…。とにかく僕はこんなややこしい人と深く関わる事が今までの人生で無かったので困惑しましたが、「はいそうですか」って何十人も子どもたちが楽しんでいる、当時全盛期だったビー玉活動を投げ出せるわけもなく…ズルズルと戦いに巻き込まれていったのでした。

僕がビー玉遊びを初めた2018年、夏が近づいてくると、ヌシは嫌がらせなのか、長年の習慣がエスカレートしたのか、公園で一日中草むしりをするようになりました。公園の端から端まで、大阪市が設置した植え込みのクマ笹にいたるまで全ての草っぽいものを引っこ抜き、砂漠のようにしてしまいます。それではビー玉を草むらに隠す「宝探し」ができないので、子どもたちも何十人と増えていたし、ワイワイ楽しそうにしてるのを見て知ってるわけですから、もしかして協力してもらえるかな?と思って、ダメ元で、わりと丁寧にお願いしてみたんですね。「子どもたちのためなので、草むしり、端っこのほうだけちょっと手加減してやってもらえませんか?」と…。しかしそれが逆鱗にふれたらしく、ヌシが自分の仲間に何か言ったようで、公園管理の迷惑だから活動をやめなさいと文句を言ってくる老人が何人も現れました。そして老人たちは、僕が隠したビー玉を拾ってゴミ箱に捨てる。正直何が起こっているのかわからなくて、驚きました。

地元町内会について

この老人たちの正体は、地元町内会の役員たちです。

ヌシは町内会の役員の一人です。町内会といっても、ここ、3~40年以内に引っ越してきた人はほとんど活動してなくて、町内会費だけ納める、という形骸化した組織です。80歳前後の老人グループが役員を独占(?)していて、一般住民は存在すら意識していません。

こちら、2018年の会計報告書の抜粋になりますが…

予算案のかなりの部分を占める金額の「老人福祉費」というのがあり、これはようするに、老人(役員)が旅行に行ったりする予算みたいですね…。そんな事に町内会費を使っているだなんて、一般住民への説明はない。
聞いたところによると、町内会費を納める事を拒否ったりすると、「命令じゃない」とか言いながら、「みんな入っている」などと村八分を示唆されて恐ろしい目にあうらしいです。てか僕がこんな目に遭ったのも、急にやり始めたわけじゃなくて、他の案件で慣れてたからでしょうね…。

うちの地元は大阪市内ですが、昔からある農村が昭和になってから宅地開発されて住宅街になって、今ではよくある現代のベッドタウンといった感じの街です。基本的に田舎っぽさは薄いんですが、どうやら4、50年以上前から住んでいる「役員」の間だけには、農村時代から続くムラ社会的なカルチャーが受け継がれてきていたようなのです。なんというか、嫌な意味で田舎。部外者に冷たく、閉鎖的で、自分たちの内輪の利益を最大化することを志向し、新しく引っ越してきた住民には役員の地位は与えない。一方で町内会の仕事という「労役」も免除されるわけですが、役員の人々は仕事をこなすことにエリート意識をもっており、貴族社会的な結束を持つ。「仲間」がピンチのときには意気揚々と侍のように駆け付け、下民を恫喝する。

ヌシは、その町内会の権力をバックにして自分の要求を通そうとしていたのですねぇ…恐ろしい話です。

レジスタンス活動をはじめる

まあこれしきのことで負けてはいられないということで、ぼくは、恫喝に来る老人たちを一人ひとり丁寧に説得していきました。なんかやたら高圧的な人ばかりでしたが、政治的なスローガンが曖昧だし、烏合の衆感があったんですよね。だからこの人達はなんとなく流されてイジメとかに参加してる子どもと同じで、一人ひとり説得していけば切り崩せるぞと思えたのです。

「ヌシが公園を私物化するために子どもたちを追い出そうとしてて、僕は子どもたちの利益を代弁しているだけです。そうでなくても公園の私物化は日本の法律では犯罪なんですが…」と、来る人来る人、丁寧に説明しました。そうすることで、大抵の人は戦線を離脱していきました。どうやら長年の仲間であるヌシが悪い人のはずがないっていう思い込みで馳せ参じていたり、同調圧力に屈しただけだったり、ほとんどの人は、思ったより害のない感じ。

ところが町内会長さんとか町内会の活動に熱心な人になるとわけが違うかんじでした。詳しく説明しても、「なんでこいつは我々の言うことを聞かないんだ」といういらだちを隠さず、話を遮断して罵詈雑言を投げかけてくる。ときには、我々には警察にコネがあるぞ、お前のことも相談してるぞ、とか脅されたりしました。ちょっと、普通の日本人からは想像できないカルトちっくな世界観ですが、まあここは大阪のど真ん中なので、警察も正常に機能しています。「駐在が村民と一緒になって村の風習を暴こうとする記者の失踪事件を隠蔽する」…とか、そういうイベントは発生しませんでした。適当なことを口で言ってるだけです。(もちろん、それは脅迫罪ですが…)

とりあえず頑固な幹部の人は置いといて、負けじと、僕に直接文句を言いに来る人以外にも働きかけるべく、何故揉めているのか、何が論点なのかをまとめて子どもたちに演説し、保護者に協力を要請するプリントを配ったりして、「ビー玉賛成派」の政治的な組織化を進めました。演説は即興で脚本を考えるのがとても楽しかったですね。自分たちが何に対して怒ればいいのか、わかりやすいストーリーを大衆に向かって説明しました。子どもたちは一丸となり、保護者の方からの応援の声も多数届き、組織化は大変うまくいきました。演説では「公園は子どもたちの物だ!ヌシの庭ではない!」などというスローガンも産まれ、市民運動みたいでしたね(笑)

こんな感じで騒ぎが拡大していけば、そもそもヌシのやってることは犯罪なので賛成派は増える一方だし、老人グループの動きも鈍るのでは?という目算。実際その通りになり、老人グループの組織的な嫌がらせは一時的に止みます。特に決定的だったのは、どうやらビー玉にハマっている孫がいる老人が内部にいたらしく、その人が取りなしてくれて収まったようでした。村社会ではメンバーの発言権が強く、部外者には人権がない。しかし彼らも、身内にたいしては思いやりのある行動をとるため、村人に賛成派が出てくれば、停止するわけです。レジスタンス作戦は大成功に終わりました。

子どもたちにイジメられるヌシを擁護する

と…ここで不測の事態が起こりました。

なんと子どもたちがヌシをバイキン扱いしはじめて、公園に来たら「悪い人がいる」って指差したりして、イジメみたいになってきたんです。僕をイジメにきた老人たちも子どもっぽかったですが、こっちの手勢も子どもなので、悪を成敗して嗜虐心を満たす行為の味を覚えてしまったのです。果ては、ヌシの家に殴り込むから住所と名前を教えてくれと鼻息を荒くする保護者からの反応までありました。圧政に対する抵抗組織を作ったら、今度はこちらの勢力が暴走しはじめた。これはまずい。

僕は関係者をなだめ、子どもたちに問題は解決したことと無益な争いはやめるべきであることを演説し、これ以上ヌシがいじめられることがないように取り計らい、騒ぎを沈静化させました。

これにて一件落着!

だったらよかったんですけどね。

ビー玉ウォーズ2019

嫌がらせ第一波の記憶も薄くなった2年目のことです。なんと、町内会役員の中でヌシによる根回しが進んだらしく、嫌がらせが再開しました。ヌシには、イジメられないで済むように取り計らってる事も説明してあったのに、あいつ…その恩を忘れたのか…ボケてるから忘れたんかもしれんな…。僕は仏様の教えとか孫氏の兵法に従って、できるだけ町内会やヌシ側に被害がでないように和平工作をしていましたが、その甘さが反撃の余地を与えてしまいました。マキャベリの戦争論では一回敵になった相手は念の為徹底的に殲滅せよと語られていますが…あれはあれで現実的なのかもしれません。

彼らは昼過ぎになると蛍光ピンクのコスチュームを着て防犯パトロール隊をやっているのですが、それが自転車で町中をぐるぐるしながらのパトロールなんですね。で、僕を見かけるとジロジロみてきたり、挨拶をしても無視したりといった、犯罪者扱いで「村八分」をアピールしてくるようになりました。要求も曖昧で、何も言ってこないぶん、今回は論破できない。これはたちが悪い。この人達は、問題を解決するのではなく、イジメをやることが目的なんですね。

まあでも気のせいかな、と思いつつ町内会長さんの家に行き、「なんか嫌がらせみたいな感じになってませんか?」と事情を聞いてみたところ、登下校の見守り活動に役員が数人集まっているところに連れて行かれて、寄ってたかってえらい罵倒されて、「ここ数年お前の話なんか”一切”したことない!」とまで言われましたので、やっぱりわざとだったのがわかる(笑)ここで政治家みたいに上手に否認や黙秘を決め込めたらいいのに、それがちゃんと出来ないのはやっぱり政治的な目的や計算があってやってるわけじゃなくて、集団の悪意をコントロールできない、自然発生的な子どものイジメと同じだってのがわかります。それでも、ダメ元で、こういうのイジメだからやめてもらえませんかって丁寧に頼んでみたんですが、バカにされるだけでした。

またやんのかよ~とか思いながら、対処法を考えます。こういうパトロール活動って自治体の要請とかでやってるんだし、自警団が暴走しないように見張ってる公安みたいなシステムがあるんじゃないか?って思って、通報先を探すレジスタンス活動第二弾をはじめました。

社会福祉協議会に相談する

で、手始めに相談にいったのが、社会福祉協議会です。2年目はビー玉ブームも一段落してプレイヤー人口が減って僕のカリスマ性が低下していたので、不審者ではないかと不安視する保護者の方とかいらっしゃいましたので、政治的な立場を補強するべく、ちゃんとしたボランティア活動家としての肩書を強化するために色々動いていたんですね。それで社会福祉協議会っていう周辺地域のボランティア活動一般を司る公の組織に個人ボランティア活動家として名前を登録し、職員の方に活動内容や本職が漫画家であることなどをしっかり説明して、後見人になってもらってるような状態になっていました。この時の職員さんはすぐ異動?されてしまったのですが、大変お世話になりました。

それで、職員さんにこれまでの経緯と状況を説明したところ、おそらく町内会の活動を制御してる地域活動協議会あたりに話が行って…町内会長さんたちはめっちゃ怒られたらしく、態度が急変しました。急にニコニコ作り笑いで手を振ってきたりするようになり(嫌味か?笑)結局、役員の仕事は手伝ってるみたいですが、町内会長を辞任したみたいです。この人はヌシ以上に挑発的だったんですが、ほんとに辞めるはめになるくらいの恥をかくとは心にも思ってなかったみたい。手始めのつもりが、これだけで取り返しのつかない不祥事になったようでした。

その他、なんか責任のなすりつけ合いが発生したらしくて、副会長さんみたいな人も辞めたらしいです。イジメを楽しみに集まってるような感じの人々なので、旗色が悪くなると仲間割れも早いです。

不思議だったのは、彼らは地域活動協議会から一定の教育を受けているらしく「命令ではない」とか頻繁に言い訳するんですが、要求に従わなければ嫌がらせをする…それは命令しているということです。教育担当者の役人さんが教えたことを分かった上で暴走しまくるのはモノの考え方とかどうなってるのか、マジで謎でした。予め禁止されていたことを大々的にやってたわけですから、怒られるわけですよね。それで、怒られたらショックを受けるってことは、役人さんを舐めているわけでもない…。でも言いつけは守れない…。

一番の元凶であるヌシにも責任転嫁の波は行ったはずだと思いますが、彼が老人グループでどんな扱いになったのかは、コロナによる自粛で互いの活動が強制終了したので、その後の経過はよくわかりません。ただ噂によると、ヌシは子どもたちにハブられたのがよほど堪えたらしく、子どもたちの機嫌を取るピエロ状態になったらしいです。登下校の見守り活動とかでめちゃくちゃおどけてみせたりするようになってて、2019年の世代の子とかはビー玉カルチャーを潰そうとしてたという伝説のヌシが、そのピエロと同一人物だという話をしたら驚いてました。まあ、子どもたちに対しては、ある意味で更生し、贖罪を続けていると言えるでしょう。というかヌシは子どもが嫌いだったわけではなく、純粋に花壇で人々を楽しませ、美しい花々を守りたかっただけなのかもしれないですね。来世は私有地でやろうな。

まとめ

老人グループの中でもイジメを主導していたのは権力志向の強い数人の男性たちで、女性のおばあちゃんとかはイヤイヤ付き合ってる感じでした。事件後、おばあちゃんたちはにこやかに挨拶をしてくれるようになり、平和が戻りました。パトロール活動は隣町の町内会と担当区域を入れ替えるという処置がなされた(あるいは自分たちで頼んだ?)らしく、僕が家の近くでパトロール隊と出くわすことは無くなりました。関係者からの僕に対する謝罪などは一切ありませんでしたので、ちゃんと反省はしてない気がしますが、だいぶ痛い目を見たと思うので、また何かやってくることはたぶんないと思います。

というわけで、相手の言い分もめちゃくちゃだったし、公的機関の手助けもありましたので、勇気さえ出せば意外と楽勝だったんですが…正当防衛とはいえ、他人を打ち倒すような事をするのは気が進まないことでした。度重なる嫌がらせにストレスを感じつつも、なかなか通報にまで及ばず、結局は我慢の限界に達して、やっと言いに行ったって感じです。相手が大怪我するってわかってたら、自分が殴られてても軽々しく引き金は引けないですよね。

このように謎のトラブルの話ということで、活動の本筋とは関係なくてなかなか書く気にならなかったのですが、こういうのもボランティア活動を語る上で避けては通れないテーマだと思います。完全非営利のマジメなボランティア活動でしたが、目立ってくれば色々と理不尽なトラブルに巻き込まれるため、ある種のイベンターやボランティア活動家には、楽しいことをクリエイトするだけはなく、楽しさを守れるしたたかさ、不当な要求には屈しない姿勢が必要になりますねー。色々と大変でしたが、自分が何も悪いことをしていないのであれば怖がらなくても大丈夫です。一個一個ロジックを組み立てて関係各所に働きかけたり個別の反論をしたりしていけば、まあどうにかなるっぽい。これに比べると漫画家などは描くだけなので楽な商売です。漫画家は、昔は焚書なんかもされてたくらいでしたが、偉大な先人たちが社会的な立場づくりをやってくれているわけですよね。新しいカルチャーを作る人は、社会的立場を作るとこからやらなきゃいけない。昔の人に感謝しなくてはなりませんな~。

個人的には、子どもたちが後ろに居たことで逃げるわけにもいかず、強制的に決着まで戦い抜いた事はいい人生経験になりました。公園に居たのが僕だけだったら、めんどくさそうって打算して絶対逃げてたなぁ。

以上、ビー玉ウォーズでした。ここまで読んで頂いてありがとうございます。

]]>
https://syado.muhoho.com/2021/10/03/%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e3%82%a6%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%ba/feed/ 0
伝説のレベル1勇者3巻発売のお知らせ&制作メモ https://syado.muhoho.com/2021/09/28/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%93%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1/ https://syado.muhoho.com/2021/09/28/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%93%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1/#respond Tue, 28 Sep 2021 13:47:11 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=7123

詳細はこちら

先日最終回を迎えました伝説のレベル1勇者、最終三巻が各電子書籍サイト及びヤンジャンアプリ(無料チケットあり)にて2021年9/17日より配信されております。
残念ながら3巻は電子のみとなります。
紙の本を印刷するのは1万部程度からなので、印刷代だけで300万くらい経費がかかってしまうため、回収が見込めない場合は刷ってもらえないんですね…
紙の本で集めて頂いていた方にはこの場を借りてお詫び申し上げます。

ストーリーはぶつ切りのような形にならず、勇者もちゃんとした勇者らしくなり、魔王との関係性も区切りのいいところで終われたので、これはこれでやり残したことはないのはよかったと思います。連載終了はとても怖くて、決まったときは自分の葬式みたいに悲しかったものですが、いざ終わってみると喉元過ぎればなんとやら的な感じで思ったより平気でした。こういうのはおばけと一緒で、「出るか、出るか」というサスペンスが怖いのであって、出たら出たで、別にそれだけのことなんですねぇ。その後はマジックザギャザリングアリーナというスマホゲームを一日5時間プレイして気を取り直し、現在、新作の読み切り(すきあらば連載)企画を月に1本くらいずつ生産しています。いずれかはそのうちお目にかかることもあるかと思いますのでよろしくお願いします。

作品が変わってもキャラクターの本質は変わらないような気がします。見た目や設定がかわっても、同じ作者からは似たような人物がでてきます。
繭の中で一回ドロドロに溶けて新しい人物に生まれ変わった勇者たちの来世にご期待ください。オマエタチハシナナイ…ウマレカワルノダ…

さてここからは、今回の連載を通じて技術的に気がついた部分などの制作メモです。ストーリー作りの話になります。

この作品は、昨今のなろう系ファンタジーのゆるさに対する反発で、ちゃんとピンチになるような大冒険をする話をやりたいと思って、あえて主人公を弱く設定しました。コメディを基調としつつも、弱い主人公が、努力や工夫で少しずつ強くなっていく王道展開を目指したのです。でもこれって、普通の少年バトル漫画と同じなんですよね。なろう系ファンタジーは展開をスーパーイージーにし、魔法や武器などの設定部分をベタべタに共通化することで読者がストレス無く読め、そうすることで王道漫画と競合を避けて「気楽に読める」というマーケットに食い込んでるというのが強みなわけで、それを王道展開に戻すというのは、世界観が無個性な少年漫画になるだけです。これは結局のところ、「車輪の再発明」だったのではないでしょうか。

というわけで、王道少年漫画にするならかっこよくて冒険心をくすぐるオリジナリティのある設定が必要でしたし、勇者と魔王というベタなパロディをやるならコメディに専念していたほうがよかったんだろうなというのが僕なりの事後評価となります。

一番描きたかったのは勇者と魔王の性格や関係性だったので、そこを残すとすれば、最後の3話でやったラブコメ展開を最初からやれてれば一番よかったんじゃないかな。

それを踏まえた上で、以下では、王道少年漫画として考えた場合の反省点をまとめて行きたいと思います。連載は1話ずつ完成させていくので、物語全体を俯瞰することができず、毎回、「こうすれば面白くなるだろ…!?」ということを手探りでやっていくしかないわけですが、そのせいで色々失敗してしまった部分もありました。

まず、1巻。最後のほうで勇者が闇落ち暴走モードになったところ。あれは、担当さんからミコがイジメられてるような大ピンチには主人公がちゃんと怒らないとおかしいって言われて入れたんですが、勇者くんには怒るような根性は元からないので、「切れる」になっちゃったんですね。弱さを攻撃性に変えるのは「怒り」ではなく「殺意」で、主人公にあるまじき態度であり、あんな喧嘩にナイフを持ち出すような勝ち方ではなく、男らしく勝つ何らかの能力あるいはメンタリティをあらかじめ持たせておいてあげるべきでしたし、そうでなければあのようなシリアスな展開はやるべきではなかったかも。

2巻。買い物とか修行パートが長くなりすぎた問題がありました。これは1巻のように闇落ちしなくても勝てるようになるためだったのですが、設定段階での準備不足でしたね。弱く、バラバラだった勇者たちが強くなって一つにまとまればドラマになるだろうとの計画でしたが、実は、修行したりまとまっていく過程…いわば「努力」自体に面白さはありません。「まとまって、強くなって、勝利した」瞬間が面白いわけです。だから設定段階で、長々と読まなくてもふとしたきっかけで面白いシーンがバンバン出てくるくるように工夫しておかないといけなかった。これは、強い主人公にすればいいというわけではありません。読者の想像以上のスピードで成長する主人公(&パーティ)にしなくてはならないのです。例えばこの工夫には、主人公の欠点が意外な利点になる(欠点描写がそのまま修行シーンを兼ねられる)だとか、ジャンルが斬新で修行風景そのものが興味深いだとか、解決策は色々ありますよね。ただ今回は初期設定にギミックを仕込んでいなかったので、「まとまって、強くなって、勝利した」という流れ自体は間違っていないわけですが、お客さんがテーブルに座って食事を注文して、そっから仕込み作業を初めてしまうような感じになってしまったのは正直よくなかったと思います。バトルシーンは意外と本格的なのが描けるようになっていって、それをダシにしながらコメディへ落としていくという形態を会得できてよかったです。

3巻。カシュ戦で勇者が「なんとなく」とか言って勝ってたときとか少年漫画的には一番面白かったと思いますが、その後の魔人化カシュにボコられたりする展開はシリアスのやりすぎで、作品のコンセプトとしては脱線していたように思われます。勇者くんなんかどうせ熱血キャラじゃないんだから、ああいうの似合わないですよ。でも、シリアスな戦いが面白そうで、ついついやりたくなっちゃったんですよね~。あれは、そこそこ面白かったけど、他の商業作品に勝てるほどではなかった。ただし、あのような経過をたどればヘタレの勇者くんは英雄キャラに進化するとわかったので、次回作からは、ああいうノリのキャラクターを最初から描けます。作者としては収穫が大きかった。

この、諸々の初期設定問題、「勇者が弱すぎた」ってことなんですよね。なろう系みたいにカタログスペックで漠然と強キャラを描くのではなく、まじめに感情のこもったキャラを描く場合、弱い主人公は強い主人公より描きやすいんですよ。作者も弱いただの人間ですから、自分の分身を描けばいい弱キャラのほうが描きやすい。それで、まあそれが完全に悪いわけではなく、物語の中でキャラクターと一緒に作者も強くなっていけばいいわけです。読者も感情移入しやすかろうと思われます。

しかし本作の場合、レベル1でも意外と強いってのはいいとしても、「1vs1なら無敵だが、剣を振ると硬直するから2対1だと雑魚相手でも負ける」とか、なぜ、後付設定を増やしてまで弱くしてしまったのか…。これは、無意識に楽をしようとしていた気がしますね。勇者が弱ければ相対的に敵が強くなるので、些細な出来事でも話の山を作りやすいんです。このような姿勢は、敵も引っ張られて弱くなるので、よくない。作者は楽ですが。強い主人公よりもっと強い敵を、世界観を壊さない範囲でどんどん出して、それを上回る主人公の大活躍で読者を驚かせていくような感じで、頭をひねって頑張らなきゃいけないところです。途中で気づいて強キャラのカシュとかドラゴンとか出しつつ、ちゃんと勇者が機転を利かせて倒す感じにしたのですが、そのへんの軌道修正は悪くなかったと思います。

さて、色々と反省点は尽きませんが、実際に3巻分連載してみたことで、人の作品を分析するだけではわからないこともたくさん学べましたし、キャラクターのストックも増えました。(魔王みたいなキャラがデレると面白いとか、勇者がマイペースを炸裂させるとかっこいいとか)また、売れている商業作品ほど多くはなかったですが、楽しんで頂けた読者様方もいらっしゃったのは嬉しいことでした。今回の経験を踏まえ、次こそはヒットする作品にレベルアップしていきたいと決意を新たにする次第です。

伝説のレベル1勇者、ご愛読ありがとうございました!

]]>
https://syado.muhoho.com/2021/09/28/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%93%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1/feed/ 0
伝説のレベル1勇者2巻発売のお知らせ&作品制作メモ https://syado.muhoho.com/2021/01/19/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%92%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/ https://syado.muhoho.com/2021/01/19/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%92%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/#comments Tue, 19 Jan 2021 09:34:30 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=7075 詳細はこちら
各書店、電子書店で注文できます。

伝説のレベル1勇者の2巻が2021年1月19日に発売されます。いやはや、1巻の発売からあっという間…でもないですね。なぜか体感では3年くらいに感じます。ここ半年、3年分くらい原稿してたせいでしょうか?しゃど地蔵の体内時計は原稿の量に連動しているみたいです。

ただ、商業連載ですので、それも2巻が売れなければ3巻分で打ち切りとなります。打ち切りは怖いです…。こんなに怖いんだな打ち切りは…。打ち切りは、ある意味で、死。多分、人生において初めての打ち切りの恐怖は、癌告知とかと同じくらい怖い。い、嫌だ!死にたくない!死にたくないんだ!うわああああ!!!みたいな生存本能を全て原稿に向かう力に変換し、頑張ってまいりました。

正直去年からずっと不安でしたが、優秀なスタッフさん、担当編集者さんのお力添えもあり、作品のクオリティは自分が思っていた以上のペースで上がっていって、前へ進む勇気がもらえました。2巻からは本格的に一流の「プロアシ」レベルのスタッフさんたちに手伝って頂き、報酬も相応の金額をお支払いしておりますので、制作費を賄うために原稿料や印税はプラマイゼロって感じですが、キャラ絵やストーリーが背景(等)に負けないように頑張ろう!という気持ちになり、繊細なタッチを僕のほうが見習ったり、いい刺激を頂いて連載を通じてかけがえのない経験を積むことができています。何やらこれまでになく短期間で漫画が上達したという実感があります。ある意味、新人の連載というものは儲けがでなくても貴重な実戦経験が得られるので、出版社に学費を出してもらって海外留学するようなものですね。ありがたやありがたや。

打ち切られたくないあまり、ここ1年は人生で一番何かを頑張ったんじゃないでしょうか。漫画家志望だった頃の「諦めない」努力とはまた違った大変さでしたが、日々ベストは尽くしているので、もはや結果に関わらず「自分にしては超やれたじゃん」みたいな達成感があり、不安な反面、晴れやかな気分でもあります。もし打ち切りになってしまって次の連載を考えなきゃいけないとしても、続いたとしても、いずれにせよ今日は昨日より熱量のある漫画が書けるようになれている気がします。一生懸命頑張ってみてよかったなぁ。

ところで、1話が出た頃に新連載の新記録とまで言われ編集部を騒がせたと噂のレベル1勇者の人気ですが、今は、となジャンで普通くらいですね。低くはないですが高くもない、中の上といったところでしょうか。単行本が売れてる作品もあるあたりだけど打ち切りラインにも被ってる。たぶん、最初は「なろう系」だと思われてて、そうじゃないのがバレて相応の評価に落ち着いたものかと思われます。同時期に始まったなろう系「転生ゴブリンだけど質問ある?」はずっと変わらぬ人気なので、たぶん伝説のレベル1勇者も、なろう系のギャグ展開をやってたほうが安定した人気が出た。とはいえ、そういう系統の作品が書きたい気持ちがあるかというと正直無いので、好き勝手にジャンプっぽい話をやらせてもらえて幸運だったと思います。普通の少年漫画を描くスキルもそこそこ身につきましたしね。いや、まだ打ち切られてないってば!

それでは2巻、よろしくお願いします。

しゃど地蔵

]]>
https://syado.muhoho.com/2021/01/19/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%92%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/feed/ 2
メジャー漫画とマイナー漫画の違いについての考察 https://syado.muhoho.com/2020/10/08/%e3%83%a1%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc-%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc%e5%aa%92%e4%bd%93%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%bc%e5%b1%95%e9%96%8b%e3%81%ab/ https://syado.muhoho.com/2020/10/08/%e3%83%a1%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc-%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc%e5%aa%92%e4%bd%93%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%bc%e5%b1%95%e9%96%8b%e3%81%ab/#respond Thu, 08 Oct 2020 04:03:23 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6979 こんにちは、しゃど地蔵です。今日も元気に漫画について考えます。

メジャーとマイナー

まず、この記事で語る2つの言葉を定義させてください。
「メジャー」と「マイナー」、2つのストーリータイプです。メジャーは少年ジャンプとか、一般人も読むような普通の漫画です。マイナーは若干オタク向けで月刊誌とかWEB媒体とかの漫画に多いやつ。売れてるマイナーもあれば売れてないメジャーもあります。これはストーリーの類型をカテゴライズするための用語であり、作品としての優劣を示すものではありません。

メジャータイプとは?

一言でいうと、ストーリーに「ドラマ」があるタイプ。

ドラマって困難を乗り越えるから面白いわけです。主人公がめちゃくちゃ困難な障害を努力の末に乗り越える感動の物語、それがメジャータイプです。ジャンプ、サンデー、マガジンなどのほとんど全部のストーリー漫画はこのタイプです。

様々な困難を乗り越えることで主人公の魅力は多段ロケットのように加速していき、長期連載の大ヒット作ともなると、クライマックスで光の速度を超えるようなイメージ。

メジャーは難易度が高い。主人公(読者)に苦労を強いる分、クリア時の報酬は相当なものを用意しなければひんしゅくを買います。そのためには高い作劇能力が求められる。

既存の作品と差別化するニッチ戦略的な観点からみても、マイナーで武器となる奇抜な設定は「普通に面白いドラマ」を書く上ではむしろ邪魔なので、メジャーにおける筋書きは正攻法で書かれた似たようなものとなり、過去のヒット作と力比べになる。

高い。難易度が高い。

マイナータイプとは?

このタイプの作品には、ちょっと乱暴な言い方ですが「ドラマ」がありません。メジャー誌の作品でもギャグ漫画などはこちらに入るのかも。ツイッター漫画もここ。

マイナータイプは、メジャーより純粋な娯楽作品といえるかも。主人公は最初から最強だったり、打倒したい敵がいない、乗り越えたい困難がない、目標がないなど、苦しまないのを特徴としていますね。読者をひたすら甘やかし、気持ちよくなってもらうのが大事だと思います。

マイナータイプでもヘルシングとかなろう系作品とか、売れてる面白い作品はいっぱいあります。最初の設定の面白さをカタパルトみたいにしてバーン!と打ち出して、主人公が苦戦することは無いことからドラマがないので加速はしにくいんですが、困難がないおかげで空気抵抗が0なので、読者はストレスを感じない。ずっと滑空し続けるような印象があります。だからワンピースみたいに1億部とか売れるマイナー作品はありませんが、数百万部くらいまでなら行けるし、10万部くらいなら下手なメジャー作品より安定して量産されています。

おそらくマイナーはドラマがないという特性上、ストーリーで特色を出すものではなく、勝負所は「絵」と「設定」になるんだと思います。新しいニッチに食い込む設定を上手い絵で描けば、例えば中途半端な鬼滅の刃の劣化版メジャー作品で正面から勝負するよりも売れるし、作家として必要な才能は「絵が上手い」「コマ割りが上手い」に限定されるわけで、既存のヒット作と対抗できるレベルの作劇が求められるメジャーと比べたら書ける作家の母数も増えるわけです。

なぜオタク向けの作品がマイナー路線が多いのかという謎がありますが、おそらくオタクはストーリーに対して見る目が厳しいので、中途半端なメジャー作品よりドラマを放棄したマイナー作品のほうが読んでて安心するから、とか。あるいは、そもそも耽美な空想の世界に現実逃避する姿勢こそがオタクっぽさだから…とかではないでしょうか。

メジャーは話、マイナーは絵

以上のことから、昔からよく言われている「メジャーは話、マイナーは絵」という感じになるわけですね。漫画家はこの2つを区別して考えないと迷走するかもしれません。漫画家さん/志望者さんは自分の作風がメジャー路線なのかマイナー路線なのか、よく考えてストーリー展開を選び、ひいては媒体を選ぶとよいのではないでしょうか?昔ぼくは某マイナー誌の出張編集部に持ち込みしたら汚い太ったおじさん(私怨)にめちゃくちゃ雑魚扱いされましたが、ヤングジャンプでは将来性を見込まれて人権があったりなどの待遇の差がすごかったです。媒体によって市場価値が異なるんですね。

個人的な話になりますが、最近、自分はどうしても真面目にドラマを考えてしまうし、考えるならマジで既存の大ヒット作品を上回るくらいのドラマ性を考えねば勝負にならんという事に気づき始めました。大変だけどがんばります。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/10/08/%e3%83%a1%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc-%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc%e5%aa%92%e4%bd%93%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%bc%e5%b1%95%e9%96%8b%e3%81%ab/feed/ 0
「絵を描く脳」と「話を考える脳」 https://syado.muhoho.com/2020/09/19/%e3%80%8c%e7%b5%b5%e3%82%92%e6%8f%8f%e3%81%8f%e8%84%b3%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e8%a9%b1%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b%e8%84%b3%e3%80%8d/ https://syado.muhoho.com/2020/09/19/%e3%80%8c%e7%b5%b5%e3%82%92%e6%8f%8f%e3%81%8f%e8%84%b3%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e8%a9%b1%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b%e8%84%b3%e3%80%8d/#respond Sat, 19 Sep 2020 08:14:22 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6913 こんにちは、しゃど地蔵です。

本日は漫画家にとっての「絵」と「話」について僕が考えている事を述べてみようと思います。

たぶん漫画家というのは2種類おります。

A「絵が描ける漫画家」
B「話が書ける漫画家」

統計をとったわけではないので、僕の感覚的な話なんですけど、例えば上手な絵が描ける人ってpixivとかにはいっぱいいますし、上手なお話を作れる人も小説投稿サイトにはいっぱいいる。なのに「両方そこそこできる」ようなレベルの人って、それぞれの母数に比して少なくないですか?

漫画家というのは結局、両方やらざるを得ないわけですが…僕が知っているプロアマ問わず色んな漫画描きさんを分析してみると、どうやら「絵」が得意な人ほど話を考えるのが苦手らしく「ネームできない」とか言ってて、「話」が得意な人ほど絵が苦手で「描くのしんどい」とか言ってるなというのが僕の経験則です。才能x才能の単なるレア度の掛け算以上に影響があるような気がしてなりません。

どうやらこれには脳の器質的な問題が背景にあるのではないかという風に考えております。

仮説

脳のある部分で、話を考えること、絵を描くことは競合しており、どちらかに秀でた人はどちらかの能力を失うようにできているのではないか。

サヴァン症候群の超リアルな絵を描く子どもに言葉を教えたら絵が描けなくなったという逸話は有名ですよね。そんな感じで、才能のある人間は生まれつき「言語能力」(話を考える力)もしくは「空間把握能力」(絵を描く力)のどちらかを獲得し、もう片方を失っているのではないか、と僕は考えています。

「絵」と「話」は競合的な関係にあるため、漫画が書ける人の数は限られてくる。プロ作家レベルともなればなおさら脳は本来無理なことをしているわけです。

そう、漫画を描く人は、絵か話で苦手分野があることで思い悩まなくてもいいのです。それが医学的に普通なのです。※個人の感想です。科学的な検証はされておりません。

一般的に思われているほど漫画家は万能の天才ばかりではなく、みんな苦手を抱えながらも努力して、頑張っているんですね。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/09/19/%e3%80%8c%e7%b5%b5%e3%82%92%e6%8f%8f%e3%81%8f%e8%84%b3%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e8%a9%b1%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b%e8%84%b3%e3%80%8d/feed/ 0
伝説のレベル1勇者1巻発売のお知らせ&作品制作メモ https://syado.muhoho.com/2020/06/17/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%91%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/ https://syado.muhoho.com/2020/06/17/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%91%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/#comments Wed, 17 Jun 2020 07:32:37 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6877

詳細はこちら
各書店、電子書店で注文できます。

伝説のレベル1勇者の1巻が2020年6月19日に発売されます。いや~短期連載スタートで一時は単行本化も危ぶまれていたのでここまでこれて嬉しいです。ていうか初単行本です。百万部とか売れたらどうしよう!?とか色々な妄想が膨らんで、いやそんな上手く行くわけ無いだろと冷静になり、一人で勝手にがっかりしたり右往左往しています。

だけどせめて…そんなバカみたいに売れなくていいから、打ち切られない程度にそこそこの人気が続いて、五体満足元気に成長していく姿をみせてほしい…そんな親心を抱く今日このごろです。

ついでにちょっと個人的な制作メモを。先日、吸血鬼アーカードがクソ強くて楽しいヘルシングのOVAを見ました。それがすごく楽しくて、そういえば自分も10代の頃はこの作品の漫画原作に夢中だったなあ…と思いを馳せ、なぜヘルシングがこんなに楽しいのかいろいろ考えました。平野先生のセリフ回しや絵のセンスがすごいのもありますが、キャラクターとストーリーに注目してみると、アーカードってずーっと不敵に笑っててなんにも苦しまないんですよね。強い敵に苦戦することもないし、他人を傷つける事に罪悪感を覚えることもない。極限までイージーな強キャラ設定によって担保された圧倒的な安心感がヘルシング、ひいては「不敵に笑う最強主人公」系作品の特徴なのではないかと思いました。多感な10代だった頃の僕は、傷つくのが怖くてヘルシングに夢中になっていたのかも…。

そんな僕もいつしか成長していくにつれて、困難を乗り越えることこそ人生の面白さなのだ、と考えるようになりました。王道少年漫画みたいなのがなんだかんだでいいよねっていう普通の考え方です。(もちろんヘルシングも大好きですが)

伝説のレベル1勇者は、ゲームや漫画で現実逃避ばかりしていないで現実と向きあい、レベル1でもがんばって戦うのだ…そのほうが人生はやりがいがあって楽しいはずだ…というような、「脳内レベル99勇者」だった少年期への自己反省をストーリーの出発点としています。しかしようするにこれはオタクに対して説教垂れてるんですな。前からコメント欄で叩きコメも結構あって、なんでなんだろ…真面目に書いてるだけなのにな…って嫌だったんですけど、挑発的なものを書いてたらそりゃ叩かれますね。なんか、理由がよくわかりました。

強敵とがんばって戦う王道的ファンタジーへの原点回帰は、上手く書くのは難しいけど、書ければ読者は感動するはずだし、ヒットしそうですね。ただし、こういうのはちゃんと面白く書かないと読者に徒労感だけが残るから、責任重大です。逆に、チート無双なら失敗しても不快感は残らないから、設定が飽きられるまでそこそこ売れる。それが昨今のなろう系チート無双作品が大量生産される理由なのではないでしょうか?その中でもチート無双の爽快感をヘルシングのように高レベルで書ききった作品は大ヒットしている。

昨今の読者はファンタジーにヘルシング的な楽ちんさ、面白さを期待してるんじゃないかと思います。というか、そもそも、なろう系登場以前に昨今イメージされるような出せば売れるファンタジー漫画市場なんてほとんど無かった。新人漫画家はファンタジーを書きたがるけど、難しいからやめとけというのが定説でした。市場があったとしても、それは少年ジャンプなどの限られた天才漫画家たちにだけ許されているメジャー中のメジャープロフェッショナルの世界だったわけです。

僕が書こうとしている作品はジャンプとか一般少年誌で普通に売れるくらいの力がないと難しい分野なのかもしれません。はたしてしゃど地蔵にそこまでの実力は備わっているのか…!?このお説教が失敗に終わるのか、新しい作品の確立に至るのか、上手くいくかどうかはやってみないとわかりません。当たればでかいような気はしてます。頂いたチャンスをものにするべく、全力でやりきるしかないですね。本作品の方向性にご賛同いただける方は単行本を買ってご支援ください。僕もがんばりますので、応援よろしくお願いします。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/06/17/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%ef%bc%91%e5%b7%bb%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b%ef%bc%86%e4%bd%9c%e5%93%81%e5%88%b6/feed/ 6
公園遊びのレパートリーと「ビー玉教」の話 https://syado.muhoho.com/2020/03/14/%e5%85%ac%e5%9c%92%e9%81%8a%e3%81%b3%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%81%a8%e3%80%8c%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e6%95%99%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%a9%b1/ https://syado.muhoho.com/2020/03/14/%e5%85%ac%e5%9c%92%e9%81%8a%e3%81%b3%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%81%a8%e3%80%8c%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e6%95%99%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%a9%b1/#respond Sat, 14 Mar 2020 09:42:19 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6849 本日のエントリーでは、「なんか気がついたら公園で子どもと遊ぶボランティア活動家になっていた話」に引き続き、僕が子どもたちと開発した遊びの詳しいレポートと公園で発生した謎の新興宗教「ビー玉教」について語りたいと思います。

ビー玉遊びの基本

普通の「ノーマル」ビー玉を5個集めて僕のところに持ってくると「ガチャ」が回せます。ガチャを回して当たりがでるとレアなビー玉をゲットできるため、子どもたちは各種の遊びをがんばってビー玉を集めるのです。ガチャ目当てに周回をするというソシャゲーの仕組みです。

ビー玉をタダで配っていると誤解されることもあるんですけど、もしタダで配ってたら一瞬で飽きられて終わりだと思います。あくまでゲームクリアの景品なんですよね。公園を無料で遊べるゲームセンターにするというコンセプトでやっています。

じゃんけん

犬の散歩とかしてる僕を捕まえてじゃんけんを挑んで勝てば1回ガチャが回せます。ただしチャレンジできるのは1日一回まで。公園で遊ぶことにログインガチャの概念を取り入れたら面白いかなと。

また、気軽な接点を作ることで他の遊びをプレイする足がかりにもなっています。基本的に僕の方から子どもたちに声をかけるのって不審者みたいだからやらないことにしてるんです。遊びたいプレイヤーには、自分からきてもらう。そのための工夫として、じゃんけんというログインガチャに近い性質の遊びを用意しました。

さらに、「じゃんけんの権利は友達にあげられる」というシステムにしました。それによって僕に興味がない友達の権利を集めてやりにくる子がいます。でもそうして権利をパスしてると、みんなだんだん自分でやりたくなり、そのうちやりにくるんですね。客引きができないのなら、お客さんにお店を紹介してもらうっていう感じです。

宝探し

すべての基本となる遊びです。最初に始めたもので、僕が公園の草むらや木の根本などにビー玉を隠し、プレイヤーが集めるという遊び。採取狩猟生活の記憶が呼び覚まされるのか、根強いファンがいる定番コンテンツです。僕が公園にきたときリクエストに応じ、一気に隠して、「よーいどん」で集めるパターンなどもあります。

1個でノーマル5個分の価値がある虹粒というのもあり、たまに隠しているんですが子どもたちは虹粒が大好きみたいです。5個分の価値以上にレアを見つけるっていう出来事が嬉しいんでしょうね。

冬場は寒さや門限などもあり公園から子どもがいなくなるので僕も遊びを休むんですが、宝探しは犬の散歩のついでにビー玉をセットしておくだけでよく、最低一人からプレイヤーを増やしていけることから、この遊びでゲームシステムを再起動していくのが良いようです。

ただし一番お金がかかるのもこの遊びで、流行りだすとゲームのルールを知らなかったり僕に話しかけるのが恥ずかしかったりでノーマルだけ大量に持って帰る子どもが現れはじめ、新しいノーマルを補充するのに財布が苦労します。学校とかで先生が注意してくれたら助かるんですが、そこまで頼むのも申し訳ないというか…公的な支援を受けられないので辛いところですねー。

ダルマさんがころんだ

プレイ人数5人~25人くらいまで

宝探しの次に人気がある定番コンテンツ。僕が足元にセットしたビー玉をダルマさんがころんだのシステムで子どもたちが取りに来ます。1個とれたらガチャ1回、虹粒をとれたら3回回せるので一番乗りを目指してレースが白熱します。

なお、マリオカートみたいなシステムがあって1位の人は判定が厳しく、下手な幼稚園児とかは常時無敵などの救済措置をとっておりますので幅広い年齢層の子どもたちが楽しむことができるようになっています。5,6年くらいになってくると、アウトになったとき僕にごねるのを楽しみにきてるやつらがいるような気がします笑 たまにメンヘラの子とかいて、ごねるのがエスカレートして出入り禁止になることもありますが、まあ適度にじゃれる程度のワガママならそういうコミュニケーションも楽しいですね。

鬼ごっこ

プレイ人数5人~15人くらいまで

3分間サドンデス方式の鬼ごっこです。鬼は捕まえた数x1のノーマル、子は逃げ切ればノーマル2個がもらえるルール。「速歩き」もしくは全力疾走の幼稚園児など、普通に走って逃げれば捕まらない弱い鬼を数人用意し、その代わり「挟み撃ちあり」で基本的に頭脳戦で戦う鬼ごっことなります。僕も基本歩きで鬼として参加して、ゲームバランスを調整しながら時々ダッシュしてバイオハザードの「タイラント」みたいにゲームを盛り上げていきます。

場所をとるのでビー玉プレイヤーじゃない子たちが公園にいると難しくなるのと、みんな興奮するので泣く子がいたり、フィジカルの有利を封じられた高学年が欲にかられてめちゃくちゃ切れてきたりするので楽しいんだけど安定性には欠けますね。走り回るだけの普通の鬼ごっこで弱いものいじめして何が面白いのかよくわかりませんが、年上にボコられる下積みを経てきた彼らなので、そういう気持ちになるのでしょう。…そしてなぜか文句をたれる高学年が不穏分子化して普通の鬼ごっこしようと周りを誘って分派してきたりして…低学年は馬鹿だから誘われたらボコられについていくんですよね。僕は学校の先生と違って強権を持たないので、そういう事はじめるやつが現れると、ゲーム続行不可能です。

鬼ごっこは面白いですが、実行できるかどうかはその日の空気次第といったところです。

カジノ

プレイ人数3人~8人まで(スペース的に)

地面に1~6の数字を置いてビー玉を賭けます。当たったら6倍返しというシンプルなサイコロカジノ。ただ、子どもたちにとってはビー玉が全財産なんですよね。みんな人生賭けてるのでやたら盛り上がります。大金がかかっているときの緊張感は賭博黙示録カイジ。僕は班長ごっこができて楽しい。

その他、スマホアプリで対戦してみたり、アドリブでいろんなゲームをやりますが、だいたいこんなところです。

さて、次は僕が公園で一時期布教していた「ビー玉教」について。

信じるものは救われるビー玉教

ビー玉教というのは1年目のある時期に僕が考えて広めていた宗教です。「完全教祖マニュアル」に則って実践してみたら、思った以上に信者が増えてしまってビビリました。

教えは2つだけ

・いい子にする
・教祖の「魔法」を信じる

信者は魔法で出現させたビー玉がもらえます。

まあかんたんな手品の応用なんですけど、僕がまずおふざけで「魔法のペンダント」っていうのからビー玉が出せるっていう手品を子どもたちにやってたんですね。芝居をまじえてミスターマリックのように振る舞っていると、低学年は見事にひっかかって僕のことを魔法使いだと信じるようになりました。でも、そんなの高学年は信じないわけです。彼らは魔法なんて無いって知ってますからね。そこで僕は一計を案じて、不信心者に対しては、わざと手のひらなどを検査させてから「ビー玉が出てこない失敗バージョン」をやってみせて「お前が信じてないから失敗した」と言い訳することにしました。そして、信じてくれた子の目の前でビー玉を出現させ、その子に与えるようにしたのです。

信じるものは救われる、魔法のペンダント。

するとどうなったかというと、高学年や知能が高い子どもほど「信じているフリ」をするようになりました。なにしろビー玉もらえるわけですからね。本来僕のことをインチキ呼ばわりしてくるはずだった層が味方についた。そうなってくるとあとはもう、ほとんどの子どもの態度が「ビー玉教信者」になるわけですよ。

信者に囲まれてると、だんだん僕のオーラが変わってくるんですね。思考能力のないヤツと低学年などはますます信仰心を篤くし、僕はサイババのように聖者として扱われ始める。最初は信じていなかった、信じたふりをしていただけの高学年たちも「あれ?ほんとに魔法使えるの?」っていう顔をし始める。あ~、宗教ってこんな風に産まれるんだな~って思いました。教祖として振る舞うのはめっちゃ楽しかったですね。

ただ、ビー玉出してくれー!っていう信者がガチになりすぎて暴徒化しはじめ、普通の遊びに支障をきたし始めたこと、教祖を演じ続けるのに飽きたこともあり、ビー玉教は途中でやめました笑

ビー玉遊び、冬は休んでましたが、暖かくなって公園にファンの子が現れ始めたので3年目もぼちぼちやってます。1年目は教祖になったりなんだり全力投球してましたが、今は連載の支障にならないよう休み休みですね。

最後までお読み頂きありがとうございました。また機会をみて、公園で遭遇したトラブルなどについても書いていきたいと思います。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/03/14/%e5%85%ac%e5%9c%92%e9%81%8a%e3%81%b3%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%81%a8%e3%80%8c%e3%83%93%e3%83%bc%e7%8e%89%e6%95%99%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%a9%b1/feed/ 0
伝説のレベル1勇者制作メモ https://syado.muhoho.com/2020/02/04/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1%e3%83%a2/ https://syado.muhoho.com/2020/02/04/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1%e3%83%a2/#respond Tue, 04 Feb 2020 13:39:18 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6801 おかげさまで伝説のレベル1勇者は連載が続くことになりました。PV数のノルマが達成できないと短期連載で終わるという可能性もあったのですが、なんとここ数年のとなりのヤングジャンプ新連載の初動では1位の成績だそうで、嬉しい限りです。応援ありがとうございます!

原稿が溜まったら週刊連載するという方式で不定期週刊連載?することになったので、2ヶ月くらいは書き溜めになりそうです。連載再開までしばらくお待ち下さい。

さて、5話まで掲載されて伝説のレベル1勇者の企画の全体像が明らかになったことなので、反省会も兼ねて本作がどういう意図をもって設定されたのか、(僕も探り探りなので)解説というか考察する記事を書きました。めっちゃ長くなったんで選ばれし勇者の方、同業者の方か漫画の裏側が気になる人に読んで楽しんでもらえたらいいなと思います。

普通のなろう系ではできない王道ファンタジーをやる

ファンタジーは昨今人気のジャンルです。僕もファンタジーが好きだからやりたかったのですが、なろう系ファンタジーがいっぱいあるので競争が激しくてめちゃくちゃレッドオーシャンです。そこで、競争が激しいなら競争しなければいいじゃないと思いました。ほとんどのなろう系作品には、だいたいチート無双だという傾向があります。小説という読者に負担がかかる媒体な上に、ランキングを生き残るため大勢の読者に読んでもらう必要があり、そのためにはできるだけ読者にストレスを与えないイージーな話にしなきゃいけないため、どうしてもチート無双になっちゃうんですね。

伝説のレベル1勇者はその点、最初から漫画なので、小説や、小説原作のコミカライズほど展開に制限が少なく、勇者が冒頭で挫折を経験したり、弱いなりに徐々に解決方法を模索していくような王道寄りな作りによって差別化が可能でした。なおかつ、きちんとゲームファンタジーなので、なろう系読者にはリーチしています。

この部分は、漫画家がファンタジーを書く場合の強みです。チート無双を避けられるので、web小説スタートのなろう系ファンタジーと比べてはるかに競争相手が少ない海で戦えるのです。

ジャンプ漫画はドラクエの源流

日本のファンタジーの方向性を決定づけたドラゴンクエストの企画は週刊少年ジャンプから始まりました。世界一強くて心優しい勇者が邪悪な魔王を倒すというストーリーは、ようするに少年ジャンプなのです。ドラクエもいわばジャンプ漫画である以上、漫画でドラクエを表現したいなら、普通にジャンプっぽいのを書けばいいということです。伝説のレベル1勇者は「少年ジャンプ」から派生した「ヤングジャンプ」でやっているわけなのですが、大人向けになってもジャンプはジャンプなので、編集者や作家のスキルを無理なく活かせるのではないでしょうか。

レベル1である

主人公が弱いと超えるべき強敵が書きやすいですし、長い目で見ると美味しいというのもありますが、戦略的にはワンパンマンの逆張りです。となりのヤングジャンプで連載されていてウェブ漫画の金字塔になっているワンパンマンは2000万部も売れてて、となジャン読者の99%はワンパンマン読者です。それなら全てをワンパンするサイタマと逆に「弱い主人公」でバトル漫画やったら膨大な読者層に箸休め的な需要があるものと予想しました。しかも、聖剣でワンパンっていう部分は同じなので、主人公の属性は真逆でも、「誰も倒せない強敵をワンパンで倒す主人公」という立ち位置は似ています。伝説のレベル1勇者はワンパンマンの二軒目はしご客を狙いまくっています。

ワンパンマンはなろう系か?

ワンパンマンはなろう系小説と同時代にweb漫画投稿サイト「新都社」の読者ランキングから生まれた作品であり、なろう系作品と似たような環境で進化した種なんですよね。チート無双を面白く書くという意味で、最も成功したなろう系という考え方もできるのではないかと思います。だとすれば、なろう系とは読者層が被っていると思われ、となジャンでなろう系読者を想定したようなファンタジーをやるのはアリなんじゃないかと思った要因の一つです。

伝説の勇者さま

ファンタジー漫画家さんは「弱い主人公」を描いたらなろう系と競合しなくて有利なのですが、弱い主人公って、弱いんだったら何もしなくていいよっていう問題がつきまといます。強くなって有名になりたいってのは主人公の勝手な欲望だから、弱いくせに無理してヒーロー活動をすることに正当性がない。その点を本作は「伝説の勇者だから主人公が戦うしかない」という設定にして解決しました。ヒーローアカデミアでも無能力者のデクがオールマイトから特別な能力を受け継ぐところから始まっていますよね。弱い主人公は責任感を空回りさせない工夫が必要です。

勇者と魔王

ファンタジー漫画の主人公は、どんなキャラでも全員「勇者」だと思うんですよね。ガッツも悟空も肩書が勇者じゃなくてもやっていることは勇者ですし、たまにスローライフ系なんかもありますが、いつのまにか冒険し始めたりして話が進むうちに結局勇者と似てくる。ハリーポッターでさえ魔法の勉強してるうちに勇者みたいになりました。おなじように、悪役は色々いても本質的に「魔王」だと思います。

ファンタジーの利点である叙事詩的な壮大さを突き詰めると世界の命運を賭けたバトル展開になっていきますし、主人公の強さや正しさ、敵の強さや悪さを大げさに誇張していくと、なんだかんだ「勇者と魔王」という感じになってくる。だったら最初から勇者と魔王がいいよね、というのが出発点としてあり、勇者と魔王のファンタジーというテーマでここ数年読み切りを書いていました。勇者と魔王こそ、最もファンタジーらしいファンタジーが描けるのです。

レベル1魔王

よくあるエルフの魔法使いを極限まで強化すると女魔王ですよね。それにバトル漫画の仲間キャラって、だいたいピッコロとかベジータとか倒した強敵じゃないですか。だったら魔王が仲間になったら一番面白いじゃん!って思って勇者の仲間は魔王にしました。ただしレベル99勇者と魔王が組んでても倒す敵がいないのでギャグ漫画しかできません。ピッコロ大魔王が仲間になる前後のドラゴンボールのようにサイヤ人みたいな「外敵」を呼び寄せる手もありますが、それをやると勇者と魔王を頂点とするファンタジーという枠組みが壊れてしまいます。そこでレベル1です。お互いレベル1なので力を合わせる必要があるし、なんだかんだ世界一優秀な二人ですから、どんなピンチも切り抜けられるはずです。しかも、勇者は弱みがあって魔王に逆らえないということに気づいてネーム直してるうちに魔王がどんどん高圧的になっていき、しかしその一方で魔王も勇者に依存しているという、姉さん女房的な面白いキャラができました。

神官ミコ

最初に魔王がいたので、ミコはどちらかというと引き立て役として生まれました。魔王は悪女であるべきなのに、旦那を尻に敷いて終わりじゃ、物足りないですよね。ミコみたいな清純派の彼女がいるのにグイグイ勇者を誘惑する立場にしたほうが魔王らしさが引き立ちます。でも一応、ミコをメインヒロインのつもりで書いてます。魔王はサブヒロインのくせに立場をわきまえないファム・ファタル。

ミコは魔王ほど知能が高くないけど感受性が高く、心優しいので勇者を精神的に支えます。でもやっぱ伝説の勇者&魔王と並べるとキャラとして弱いので、これからも強化案を考えてあげないといけないですね。まあ今のままでも不可欠なポジションではあります。勇者とミコが真面目にジュブナイルしてるところを魔王がちゃちゃ入れるのは面白いですから。

人間関係はエヴァ

エヴァンゲリオンはロボットアニメですが、実はよく見るとドラクエなんですよね。

少年が聖剣を抜き、勇者になる→エヴァのパイロットに任命されるシンジ
勇者が負けると世界が滅ぶ→サードインパクト
神話的なファンタジー→人類補完計画

庵野監督がドラクエを意識していたかどうかは定かではありませんが、勇者伝説もエヴァも、キリスト教という宗教神話を元にしているわけですから似るのは当然です。じゃあ逆に勇者伝説でエヴァンゲリオンをやったらいいじゃんって思ったので、魔王(わがまま少女アスカ)ミコ(都合がいい少女レイ)という役割分担でキャラクターを配置しています。勇者くんやシンジくんのようなヘタレなくせに自分をヒーローだと思いこんでる自意識過剰な男の子には、強引に引っ張ってくれる女の子か、意見を全く否定しない女の子がちょうどいいんじゃないかな。

ゴーストスイーパー美神

漫才とバトルの書き方でGS美神にも影響を受けてます。子供の頃好きだった作品が型としてでてきますね~。
横島→勇者
美神→魔王
オキヌちゃん→ミコ
横島がビビリながらバトルしてた連載中期以降がとても好きなのですが、だんだん美神が頼れる女性から、横島に知恵を授けるけどここ一番で弱い存在になっていきましたね。その点を踏まえて美神に相当する魔王は、完全なコーチとして弱くしてあります。

魔法陣グルグル

ドラクエパロディのゲームファンタジーを語る上でこの作品は外せませんね。勇者はニケ、ミコはククリ、魔王はギップルにそれぞれ対応していると思います。魔王よく冒険の道先案内してるしクッサ~!とか言ってるし立ち位置は完全にギップル(笑)

勇者が闇の力に手を出す

勇者が追い詰められると聖剣の力が暴走したりするのもエヴァにヒントを得た設定ですが、この元ネタは原作デビルマンらしいです。弱い主人公が力を求めると暴力に頼る感じになって勝ったのに後悔しちゃうっていう型があるのでしょう。

僕の僕による僕への精神分析になるのですが、勇者がレベル1と弱く、魔王という悪女の力を借りたり、追い詰められて闇の力を使ったり…その全てが原作デビルマンをなぞっているんですよね。果たしてこれは偶然なのか?心理学的な法則性みたいなのがあるんじゃないかという気がしてます。僕の予想では「父性の否定」ですね。父性を否定する作者が描く主人公は弱くなるし力を行使すると忌むべき暴力になってしまう。心のどこかで父性を否定しているから、強い男が普通に格好いいっていう話にはならない。

まとめ

色々書きましたが、伝説のレベル1勇者の最大のウリは、レベル1なのに普通に冒険してるところだと思います。レベル1勇者の作品はたまにありますが、みんなギャグ作品です。実のところ僕自身にもレベル1勇者はギャグキャラクターという先入観があり、担当交代で編集者さんがストーリー漫画のほうが得意そうな方に変わったので仕方なく作風を転換したんですが、結果的に普通に組み立ててたらたどり着けないコンセプトに着地できてよかったと思います。

本作品のバトルシーンは、ゲーム実況動画とかではよくある縛りプレイみたいなものなんですが、レベル1でクリアする配信者さんは本当にかっこいいですよね。まさにゲーマーの中の勇者。レベル99の勇者がチート無双するよりも、本当はレベル1で頑張って強い敵を倒したほうが勇者らしくなる。レベル1勇者は意外と勇者らしい勇者なのです。

などなど、色々無限に語ってしまうくらいここ数年は勇者と魔王について考えていて、この作品を書かせてもらえないと前に進めないと思っていたので、連載が続きそうで本当に嬉しいです。読者の皆様のご期待に少しでも応えられるよう頑張っていこうと思います。

散らかった文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/02/04/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e5%88%b6%e4%bd%9c%e3%83%a1%e3%83%a2/feed/ 0
「伝説のレベル1勇者」新連載のお知らせ https://syado.muhoho.com/2020/01/07/%e3%80%8c%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e3%80%8d%e6%96%b0%e9%80%a3%e8%bc%89%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/ https://syado.muhoho.com/2020/01/07/%e3%80%8c%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e3%80%8d%e6%96%b0%e9%80%a3%e8%bc%89%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/#respond Tue, 07 Jan 2020 10:06:50 +0000 https://syado.muhoho.com/?p=6793

https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156731238207
となりのヤングジャンプ他、ヤンジャンアプリで無料配信中です。
この作品がしゃど地蔵の商業初連載です。わーいわーい!

僕が初めて勇者と魔王の漫画を書いたのは16年の末とかだった気がします。それから何故かこのネタで描かないと気がすまない沼にはまり、あれこれやってたら、連載開始まで3年くらいかかりました。もしかすると僕は魔王に取り憑かれたのかもしれません。それはこの漫画の勇者も同じかも…?

危機に瀕した弱者が諦めずに頑張って戦う話が好きです。そして勇者と魔王が出てくるファンタジーが好き。勇者なのにレベル1だったり、ちょっと変わった設定の作品ですが、僕なりに一番真面目に面白くなるよう物語を考えました。よろしくお願いします。

]]>
https://syado.muhoho.com/2020/01/07/%e3%80%8c%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%99%e3%83%ab%ef%bc%91%e5%8b%87%e8%80%85%e3%80%8d%e6%96%b0%e9%80%a3%e8%bc%89%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/feed/ 0