こんにちは、しゃど地蔵です。
本日は漫画家にとっての「絵」と「話」について僕が考えている事を述べてみようと思います。
たぶん漫画家というのは2種類おります。
A「絵が描ける漫画家」
B「話が書ける漫画家」
統計をとったわけではないので、僕の感覚的な話なんですけど、例えば上手な絵が描ける人ってpixivとかにはいっぱいいますし、上手なお話を作れる人も小説投稿サイトにはいっぱいいる。なのに「両方そこそこできる」ようなレベルの人って、それぞれの母数に比して少なくないですか?
漫画家というのは結局、両方やらざるを得ないわけですが…僕が知っているプロアマ問わず色んな漫画描きさんを分析してみると、どうやら「絵」が得意な人ほど話を考えるのが苦手らしく「ネームできない」とか言ってて、「話」が得意な人ほど絵が苦手で「描くのしんどい」とか言ってるなというのが僕の経験則です。才能x才能の単なるレア度の掛け算以上に影響があるような気がしてなりません。
どうやらこれには脳の器質的な問題が背景にあるのではないかという風に考えております。
仮説
脳のある部分で、話を考えること、絵を描くことは競合しており、どちらかに秀でた人はどちらかの能力を失うようにできているのではないか。
サヴァン症候群の超リアルな絵を描く子どもに言葉を教えたら絵が描けなくなったという逸話がありますね。そんな感じで、才能のある人間は生まれつき「言語能力」(話を考える力)もしくは「空間把握能力」(絵を描く力)のどちらかを獲得し、もう片方を失っているのではないか?と僕は考えています。
「絵」と「話」は競合的な関係にあるため、漫画が書ける人の数は限られてくる。プロ作家レベルともなればなおさら脳は本来無理なことをしているわけです。だから、苦手分野があるというのは、普通のことなのです。
でも、ごくたまに絵も話も両方超上手い人っていますけど、あれはどうなっているのでしょうか?そういうのは、おそらく単純に脳の基本スペックが高いから両方できているんじゃないかって気がします。バランスが良く高いレベルで絵も話も作れる漫画家さんはみんな、たいへん頭がいい人が多い印象です。お話してみるとIQが高いですね。
結論として、漫画家が処理能力を発揮するための背景は、以下のように捉える方ができます。
・脳細胞が全体的に高品質だからなんでもできる人
・絵or話に特化して脳が発達している人
さらには、頭が良くて、特化した脳の発達の仕方をしている人が「特定分野スペシャリスト」となります。脳細胞の質はさておき、数は頭蓋骨に収まる分だけしかありませんから、どちらか片方は苦手というか、極められなくなっちゃうんじゃないでしょうかね。例えば「ONE PIECE」とか「鬼滅の刃」とか「進撃の巨人」とか、ストーリーでトップオブトップをとる作品を描く漫画家さんは、絵も話もかなり上手くて魅力的だけど、デッサン力みたいな意味で緻密で技巧的な絵を描ける人って、居ないですから。それは、人間の脳という器官の物理的な限界に起因するものなんじゃないかと思います。なお、これは個人的な仮説であって論文などデータに基づく医学的な根拠はありませんのであしからず。