伝説のレベル1勇者の連載が終わってから2年半が経過しました。その間、しゃど地蔵は何をやっていたのか…今回はその謎にせまる近況報告をしてみたいと思います。
最近は電子書籍系の漫画連載が増えていて、漫画バブルなどと言われているそうです。新規資本の参入で連載枠が増えて、漫画家が不足しているんだとか。でもぼくは、大手出版社が出している昔からある漫画らしい漫画が好きなので、ヤングジャンプ、少年ジャンプ、少年マガジンでネームのやり取りをしており、世の中の好景気とは関係がなかったですね。
それにしても読み切りさえ載らないとは。おかしいなぁ~…2016年頃は読み切りとかバンバン載ってたのにな~…って思うんですけど、あれって、「練習代わりに載せてもらってた」だけなんですよね。育成してもらってた。
逆に、連載経験のある漫画家は、練習で読み切り描かせてもらえないので、新連載取るか取らないかの二択になります。読み切り描いたとしても、連載化の試金石となる勝負の読み切りだけになる。
紙の本が出て、原稿料が出る大手出版社の連載って、一回立ち上げるだけで何百万円、一千万円とかのお金が動くビジネスですから、簡単に取れるものじゃないです。そのために漫画家はたくさんの企画を作るわけですが、それがボツり続けて、何の形にもならず年単位でネーム描くのってしんどいですよ。読み切りダルイわ~早く大人になって連載してぇわ~とか言ってる学生気分の新人作家は、モラトリアムに感謝すべきなのです。
ああ…こんなの言い訳じみていますよね…。まあ、言い訳です。現状報告はさりげなく、クールに決めたいけど、もう諦めました。本当は、「連載決まりました!」とか「◯◯本誌載ります!」みたいな形で報告したいと思っていたのですけど、僕の格好よくない2年半を正直に書き連ねましょう。
でもなんやかんや、結構進歩はしてるような気がしてまして、大手出版社の編集者さんとの打ち合わせをしながらの作品制作は、やっぱり勉強になりますね。ハードルは高くとも、メジャー誌の会議を通過するために試行錯誤しながら自分のネームを描くのって、その過程そのものが作家としてめちゃくちゃ勉強になるんですよ。最前線で培われた出版社のノウハウも担当編集者から教えてもらえますしね。
今の世の中、ネットでバズって漫画家になったタイプの作家さんによる、大手出版社の悪口ばかり目につきます。しかしそれは正統派漫画家や大手出版社に対する劣等感や妬みもあってSNS特有のエコーチェンバー現象が起こってる部分もあるんじゃないですかね。もちろん無能な編集者もいると思うんですが、ちゃんとした編集者さんを相手にするならば、無料で専門教育を受けられる大学に通ってるみたいなもんで、有り難い話だとぼくは思います。
ここからは時系列順に詳しくまとめていきましょう。
まず、2021年初頭、伝説のレベル1勇者の連載終了が決まっときは悲しかったです。本当に枕を涙で濡らしました。1年間共に戦ってきたキャラクターたちにたくさん謝りました。お話は綺麗に畳めましたが、連載の打ち切りは、まるで世界の破滅です。故郷が灰になる光景を目にしたかのようにショックでした。
連載終了後の2021年夏から1年ほどヤングジャンプで何度もネームを提出しましたが、全然通らなかったです。伝説のレベル1勇者を立ち上げた編集者さんは退社してしまっており、後任となった担当さんとは全然馬が合わず。同じオタクだけど、クラスメイトにいてもグループが違う感じがする。これだったら、元キャバクラ黒服のリア充(?)だった前担当さんのほうがマシだった。海外旅行が趣味で、別にオタクじゃなくて、善人って感じでもないし、よくわかんない人だったけど、付き合ってて面白かったんですよね。異民族との協調という趣がありました。後任の担当さんはオタクで、趣味は似ているが、その解釈があわず、価値観があわない…僕を面白いと思ってないし、僕もその人を面白いと思ってない。オタク同士で足の引っ張り合いですよ。そんなんじゃ絶対面白くならない。その人も別に、仕事できないわけじゃない。ただ、僕が苦手なタイプの作風で売ってる人です。編集者との相性が悪いとこうなるんだーって思いました。
ヤングジャンプをあとにした僕は、漫画原作者への転向を考え、少年マガジン、少年ジャンプの原作賞にネームを出したりしました。ネーム描くのは早いので、週刊連載もできますからね。
少年マガジンでは小さな賞をいただき、賞金で1万円もらったのかな。そのとき言われたことですが「投稿作品じゃないですけど、色々なネームを描いてて器用なので、あなたという作家がいずれ何かやってくれそうなので受賞が決まりました」って評価だったのが嬉しいような悲しいような。漫画じゃなくて、人間が漫画賞を受賞するというのは珍しいのでは。そういえば、作品より本人が面白いというのはヤングジャンプの嶋編集長(2018年当時)にも言われました。嶋編集長の昇進と共に編集長が別の人になって、そのあとヤングジャンプは塩対応になったので、僕はずっとキャラ(作者本人)で漫画を掲載されていたのか?もしかして漫画家よりお笑い芸人とかのほうが向いてる?
マガジンの担当さんは美少女漫画好きの良い人で、趣味も合うので何度かネームを送りましたが、結局そのときは上手く行かず。
少年ジャンプでは、落選。そのほか当時はコロナ対策で「遠隔持ち込み」というのがあって、ネームを郵送すると持ち込み扱いで見てもらえました。ジャンプは電話をとった編集者が持ち込み希望者の「担当」になるシステムです。しかし対応してくれたジャンプの若い新人編集者さんは、「スン。僕は少年ジャンプに配属されしエリートだよん。」みたいな態度で、全然面白がってくれない。担当と言いつつメールアドレスも教えてくれないから、持ち込みのたびにネームを印刷した上で郵送させられる。とほほ。
ここだけの話、担当編集って完全に運次第のガチャじゃないですか。それも何のためにあるのかっていうと、新人作家の奪い合いを避けて、不公平がないようにして、編集部の人間関係を丸くしたり、新人編集者にチャンスを与えるためにある。しかし運悪く、無能や相性が悪い編集者に当たった新人作家は死にます。出版社は別に損しないから、それでいいんです。でも、そんなの作家側がバカ正直に付き合う必要は無いですから、優秀な編集者さんと組むためにこちらも上手く立ち回っていかないと損だと僕は考えています。その新人編集者さんも僕に興味ないみたいでしたし、個人的な印象としては仕事できる人だとは思えなかったんで、後述する少年ジャンプ原作賞への再投稿の際には、しれっと「担当なし」と記入しました。それが大きな幸運に繋がりますが、その話は記事の後半で。
結局、連載が終わってからの1年くらいは、焦りもあってネームをたくさん書きましたが、数をこなしてるだけで全然調子が出なかった。ずっと鬱だったし、体の調子もおかしくて不眠症でした。もはや廃人でしたね。依存するようにマジックザギャザリングアリーナを一日5時間くらいやってました。カードゲームはほとんど初めて遊んだんですが、面白かったなあ。もっと早く遊んでおけばよかった。数ヶ月のうちにPvP最高ランクに到達できるようになるくらい上手くなりました。
あとは、週一くらいのペースで日本橋のコンカフェに行って、その場でメイドさんの似顔絵を描いて、プレゼントするという遊びをやってました。これが中々喜ばれるんですよ。自分のスキルで目の前の若い女の子が喜んでくれるのは嬉しいです。さりげなく漫画家ぶれるし、楽しかったですね。コンカフェってお金で愛を買う場所ですけど、僕はそういうのは嫌い。金払ったら誰でも勝てるゲームは面白くないですよ。
だから高額なシャンパンとか入れる代わりに似顔絵描いてあげるという「微課金プレイの同人作家」みたいなスタイルでケチケチ遊んでたわけですけど、あるとき、最初は普通に似顔絵や対等な友達トークでリーズナブルに遊んでいたとあるコンカフェ嬢の女の子がいたのですが、その子は僕が才能を見込んだ通りみるみる頭角を表し、カリスマ的人気を持つキラキラコンカフェ嬢へと成長しました。しかし学業を優先して引退することとなり、盛大なイベントが催されます。その子は引退イベントの売上で日本橋のナンバーワンになることを目指してて、手段を選ばず金を集めまくり、そして伝説的な売上高を残し、引退しました。あっぱれ。なんかすごかったな、オタクたち、みんな騙されてるってわかってるのにお金を貢いでて、闇の儀式みたいだった。邪教の信者たちが喜んで生贄になるやつ。
このとき、ぼくも色恋営業を受けまして「お金の関係にはしたくないな」と断りをいれたんですが「断ったら関係終わるぞ」とか脅されまして。そしたら、ほら、僕…女魔王とか大好きなんで、女の子にそんなふうに言われたら、ねぇ?。日本橋のオタロードでオドオドしながらチラシ配りしていた女の子が、いつのまにか立派な魔王に成長したことが僕の性癖に刺さり、謎の感動がありました。それで一回くらい騙されてみるのも面白いかなと渋々入れたフィリコっていう「容器がキラキラした天然水」みたいな商品が10万ちょいだったと思いますが、それが最初で最後の高額注文でした。そして当然ながら、色恋営業だったというオチ。この一件でコンカフェというカルチャーの現実を悟り、アホくさくなってコンカフェ通いは約一年で辞めました。コンカフェって自分のタイミングで人と会話できてストレス解消に有効なので、いずれ金に余裕があって彼女とかいない時期なら行くこともあるかもしれませんが、おそらく高いお金は使わないでしょうね。結果的に浪費する金額が少なく済んでよかったと思います。
コンカフェ業界はキャストもそうですが、お客さんもクセの強い人が多かったです。推しに振られた腹いせにオタロードで大量殺人を予告するオタクとかいて、怖かったですね。あいつよく逮捕されなかったなぁ。されたのかな?他にも、親から不動産を相続して管理は人に任せて毎日豪遊してるおじさんとか、FXで一発当てた億り人とかも居ました。そういう廃課金勢に「漫画家の似顔絵」や「トーク力」という自分自身の才能で対等以上に立ち回るのが個人的に楽しかったですね。
こんな事件もありました。ぼくが通ってた店のオーナーが、雇ってるコンカフェ嬢にセクハラを繰り返し、人気のあった女の子が耐えかねて店を辞めるときがきた。それに対してオーナーが嫌がらせで適当な理由をでっち上げてSNSで解雇通告を発表したら、その店の女の子が全員辞めて店が消滅しました。王様の人気がなさすぎると、メイドによるクーデターが勃発して国が滅ぶなんてことがあるんですね。
コンカフェは対面で行われるアイドル産業であり、キラキラした魔窟です。色々と人間観察ができたので、勉強になりました。
さて、話題を私生活から仕事の話に戻しましょう。一年間散々遊んで火傷もしましたが、連載と打ち切りでボロボロだった心と体が治ってきました。2022年夏、僕は本腰を入れて漫画家として復帰することを目指して行動を開始します。
個人的に一番おもしろかったチャレンジは、某誌所属のとある有名編集者さんへの「弟子入り志願」ですね。たまたま面識があって連絡先も知っていたので、メールでラブレターを書いて頭をさげて、半年ほどネームをみてもらっていました。その人はさすが数々の大ヒット作を手掛けてきただけのことはあり、打ち合わせはめちゃくちゃ勉強になりました。
もう視点から違うんですよ。アニメ化するつもりで描いてくださいって言われる。そんな無茶ぶり、はじめて聞いた。超一流の編集者からすれば、アニメ化しない、数万部売ってトントンみたいなショボい企画は眼中にないのです。で、驚いたんですが、アニメ化するくらいの感覚で描いたら、実際に面白い物が描ける。
ゲームで例えると、ストリートファイター2は格ゲーの発明ですけどSNKのキングオブファイターズはスト2を先鋭化させたもので、コアファンにはウケてたけどゲームシステムとしては「新しいアイデア」は無いから、スト2の人気は超えられなかったわけじゃないですか。それと同じで、アニメ化するような大ヒット作品って「新しいアイデア」がある。でも、そういうのって別次元の発想力が求められるので、ビジネスとしてはSNKみたいに既存のアイデアを先鋭化させるスタイルで無難に稼ぐ企業が圧倒的に多い。漫画家も同じで、そういう風に企画を立てるし、編集者だって普通はそれをやらせて「小ヒット」を狙おうとするものです。
本当に爆発的に売れて、アニメ化もして、たくさんの人が楽しむようなガチで面白い大ヒット企画を考えるというのは、根本的に作品への向き合い方が違うわけです。僕はまず、そこを矯正された。
でも…結果的には力及ばず。2022年の12月、半年ほどでクビになってしまいました。
その半年間は思い出すのも恐ろしい厳しい指導を受けていました…もう…めちゃくちゃ厳しかった…鬼のように厳しく…あなたのマンガは根本的に駄目だから、これまでの延長ではなく、すべての考え方を改めてくださいとか、作家性から全否定する。あなたは「面白さ」に対する意識のハードルが低い、低レベルな物を見せることを恥じてもっと真剣に取り組むべきだとかも言われましたね。これ、聞くところによれば担当された漫画家はみんな言われるらしいですね。そ…そこまで言うか?ってくらい、ハッキリガツガツ指摘なさるんですね。マンガを描くのが怖くなりましたし、今でも自分のマンガは面白くないんだなって思ってしまうPTSDに苦しんでいます。正直半分…いや7割くらいパワハラだったと思うし、再起不能になった作家もいるとの噂があるほどですが…
実は、これがめちゃくちゃ効きました。その地獄のような半年間で、僕のマンガにたいする意識は変わりました。「できたできた♪」で済まさず、もっと面白くできないか、新しい可能性を死にものぐるいで探り続けるプロ意識が芽生え、考えに考え抜いて作品を作り込むようになった結果、以前とは比べ物にならない良いものが描けるようにはなったのです…まあ…ブラック企業のシゴキを受けた人が「いい経験になった」とかいって、酷い目にあったトラウマを正当化する現象も働いているものかと思われますが、実際この経験で僕のマンガは大きく変わりました。
なぜなら、修行を経たあとの僕は、少年マガジンや少年ジャンプの編集者さんを相手取っても通用するようになっていたからです。上記の某有名編集者さんから戦力外通告を受けた僕は、少年マガジンの担当さんに新しいネームを送りました。その企画は、編集長に気に入ってもらえなくてボツになっちゃいましたけど、「弟子入り志願」の前とは比べ物にならないほど良いネームをお見せすることができて、担当さんに喜んでもらえました。2022年にネーム見てもらってた時とは、反応が全然違いましたね。
そして2023年春の少年ジャンプの原作賞ストキンにも改めてネームを送ったんですが、今回も受賞できずガッカリしていたら、突然、少年ジャンプ編集部から連絡がきたのです。ネームを見たという編集者さんからの連絡でしたが、なんとその人は、某大ヒット作を立ち上げたベテラン編集者さんだったのです。作品を気に入ってくださり、受賞はしていないけど担当して頂けるとのことでした。ジャンプでは新人原作者扱いとのことで、一旦読み切り掲載を目指すことに。2023年夏は少年ジャンプのベテラン編集者さん指導の元、その作品の修正作業を続けていました。そして企画は順調に進み、作画担当の先生に素晴らしい演出力で再構成して頂いた「リネーム」をみたときは、布団の上で痙攣しながら読むくらい嬉しかったです。
気分はすっかり有頂天でした。ああ…これで僕もジャンプ作家か…印税が入ったら今までお世話になった両親に恩返しをしよう。実家の住宅ローンを肩代わりしてあげなきゃ…なんて思いながら、自信満々で少年ジャンプ本誌、ジャンプ+の会議に出したわけですが…エロすぎてポリコレ違反とのことでボツになってしまい、現在に至ります。いや…そんなにエロくないですよ、ToLOVEるより遥かにエロくない。少年マガジンだったら、もっとエロくしてって言われそうなレベル。でも最近の少年ジャンプは児童ポルノになるからってことで、エロにはまじで厳しいらしいです。担当さんも僕も、少なくとも+で連載くらいは確定だろうと思ってたので、これにはガッカリしましたね。時代の流れには逆らえません。この作品はちょっとエロさをマイルドにして、ひょっとしたらジャンプGIGAという増刊号に載せてもらえるかもしれないらしいですが、締切がだいぶ先なのでまだ結果待ちです。載ったとしておそらく来年の春頃でしょうか。
さて、某誌所属の有名編集者さんの、漫画家を殺すつもりで鍛えるかのようなスパルタ教育によって、しゃど地蔵は大きな成長を遂げていたことがお分かり頂けたでしょうか。わかりませんか?まあ、載ってないですからね。いいトコまで行ったって話を口で言っているだけですからね…この記憶が全部ぼくの妄想だったら怖いな。
とにかく「弟子入り志願」はいい経験になりました。人間って、死ぬような目にあわせたら生き残りは強くなるんですよね。おそらく、あのシゴキに耐える根性、期待に応える才能がある人たちが大ヒット作を生み出していくという仕組みなのでしょう。僕はもともと、無理をいって見て頂いていたのであっというまに愛想を尽かされてしまって、結果を残すことはできませんでしたが、得る物はあったのです。
ただし、この編集者さんの仕事術を凡人が真似したら、ネットで晒されて炎上するでしょう。そうならずに、漫画家たちの尊敬を集めるレジェンド編集者という評価に納まっている事実。そのカリスマ性こそ、同氏の一番すごいところです。
あと思い出すのも嫌ですけど、2022年末~2023年春にかけてのマルチ商法シェアハウス事件ですか。
気になる人は余談・マルチ商法シェアハウスをごらんください。
最初の記事は注意喚起を目的としたもので、できるだけ多くの人に読んでもらうため内容をシンプルにし、感情的なことを書くのはだいぶ我慢してたんですけど、今回リミッター解除してお気持ち表明してみたら、めちゃくちゃ長くなっちゃって、漫画と関係ないので別記事にしました。
この事件直後の気分はメチャクチャで、人生最悪レベルのストレスを感じました。ただし…同時期に、上記の少年ジャンプからの連絡があったのです。最悪と最高が同時に起こったショックで、高熱が出て寝込みました。
で、最近は主に、少年ジャンプの担当さんのもとで連載を目指して頑張っています。…待ってくれ、僕がジャンプ作家だって…?しばらくは、考えただけで情緒不安定になりました。才能を認められた喜びより、プレッシャーからくる怖さが完全に勝りましたよ。少年ジャンプは好きだけど、恐れ多くて真剣に目指したことなかった。本当に好きなものに手を伸ばして、上手くいかなくて傷つくのは怖いので、無意識に避けてきたような気がする。似たような心理が働いて、少年ジャンプに挑戦しようとしてない漫画家さんは多いんじゃないでしょうか。
不安はそれだけではなく、この話をしたら、なんだか冷たくなる知り合いの方も結構いまして…ジャンプで描く「かも」ってだけで、人から嫉妬されるんですね。こうして愚痴ってても、どうせ自虐風自慢みたいにしかならないでしょう。この憂鬱さを誰にもわかってもらえなくて、寂しい気持ちです。何を隠そう、僕も昔ジャンプ本誌で連載をはじめた友人を嫉妬して、嫌な態度をとって迷惑をかけ疎遠になってしまった経験があります。妬まれて、あれこれ理由をつけて悪者にされるんだろうなってのがもうね、わかるんですよ。自分がやらかしてきたことですから。これが本当の自業自得だなと思いました。Kさん、ごめんなさい。読み切りとか全部読んで監視してます。お前だけは俺が倒す。ずっと謝りたいと思っています。ウッ頭が…!
話が脱線しましたが、僕なんかがそんなすぐジャンプで連載なんかできるわけないじゃないですか。超一流の世界で連載もらうなんて、大変ですよ。数年間の修行により僕自身の能力は向上していると思うんですが、ハードルのほうが上がり続けているので、中々超えられませんが、高いハードルを越えようと努力することが一番の成長の機会になっていると感じますね。
上記の有名編集者さんが「アニメ化するつもりで描け」と仰っていましたが、「ジャンプで連載するつもりで描け」はそれだけで能力を底上げしてくれて、面白いマンガになる。少年ジャンプ作品が面白いのは、少年ジャンプで生き残るために競い合っているからなのでしょう。おまけに担当のベテラン編集者さんは非常に優秀で、僕が大好きだった作品を立ち上げた方でもあり、趣味が合う。価値観があう。僕を面白いと思ってくれている。しかも優しい…こんなの、信じられない幸運です。そしたら今度は、担当さんに嫌われて見捨てられるのが怖くてずっと鬱です。漫画家として編集者に愛されない時間が長すぎた。不幸が身にしみている…まるで大人に虐待されてきた子どもみたいだ。
というような感じで2年半、なんやかんやあり…
しゃど地蔵は今、少年ジャンプ&少年マガジンの新人漫画原作者として下積みを頑張っています。再就職活動のさなかに記念受験した大学に受かってしまったのでいまさら入学して、イチから出直しているような状態です。これは上手くいっているといえるのかどうか…もしかすると、数年間くすぶって、ベテラン編集者さんも異動してしまって、何の成果も!!得られませんでした!!なんて結果になる可能性も大いにありますが、ここでチャレンジしないと、一生後悔しますよね。だから僕は、降って湧いたチャンスを掴むべく、全力を尽くしてみることにしました。
こうして振り返ると、しゃど地蔵くん結構頑張ってるような気がしてきたな…何の成果も出てないけど…誰に向けたものというわけでもありませんが、近況をゆっくり振り返るのは気分が落ち着きますね。
というわけで、一旦このような形で近況報告させて頂きました。次は掲載告知ができるように頑張ります。