(短編漫画)「魔法少女ユトリバティ」(32P)

(短編漫画)「魔法少女ユトリバティ」(32P) by しゃど地蔵(SYADO) on pixiv


裏サントーナメントとかでごたごたしてて、ブログに乗せてあとがき書くの忘れてました。
8月にpixivで発表した新作です。
続きを読むであとがきです。


あとがき
昨今の世間は、「ゆとり」をないがしろにしすぎていると思うのです。
そもそもゆとり教育とかいってゆとりを持て囃していた時代(90年代)の前には
詰め込み教育とか24時間戦うモーレツ会社員とか
まあそういうオーバーワークな時代があり、現代はまたその方向へ揺り戻されているのだと思います。
しかし、オーバーワークには学校荒廃や過労死、生きてて辛いなどの「負の側面」があり
その反省として「ゆとり」を取り戻そうとしたのがゆとり教育の時代だったはず。
ゆとりの行き着く先が亡国、破滅への道だとすれば
現代人は逆に、地獄への道を戻ろうとしているのではないか。
どちらだけ正しいというわけでもない。物事には中庸が大切なのです。
そこで、個人主義と全体主義、孤立主義と個人崇拝なども絡めて
個人の尊厳とゆとりを大切にしようというテーマの漫画をやってみました。
@キャラクター
☆小白瀬ゆとり
現代日本からするとどう考えても主役にはしづらい性格ですが、美少女なら許されるだろうとやってみました。
彼女の行動原理には、僕なりに考えた個人主義者の美学を反映させています。
どんだけ人から見て非常識でも、変わってても、
一人で勝手にやってる分には別によくね?というのを、格好良く描くためのキャラです。
ゴーストは悪魔親父のシュウコちゃんタイプのようでシュウコちゃんではない気がします。
もう少し育てたい人物像ですね。悪の組織の憎めない女幹部とかにしたらいいかも。
☆色読是空
実は、ゆとりちゃんと非常によく似た性格のキャラクター。
二人の共通点はいわばエゴイストなのですが
ゆとりちゃんは自分を自由にするため孤独・孤立を選びますが
こいつは自分に周囲を合わさせようとする点で、人の自由を奪う。悪人です。
悪役と主人公は似たもの同士がいいのかなって思いました。
同じ目標に向かいつつやり方の綺麗な方と汚い方で、お互いを引き立て合います。
終盤、利用価値のなくなった取り巻きを粛清しはじめる辺りがバカな悪役っぽくてステキでした。
☆お兄ちゃん
SAO一期の後半で兄妹モノやってて、自分もやりたいって思ったので
ゆとりちゃんを導く、魔法の杖を与える系キャラクターとして兄を登場させました。
☆空気団
キャラクターというか群像なんですが…
このキャラには思うところが色々あります。
一番書きたかったのは、こいつらなのかもしれません。
長くなるので、はしょりますが、まーようするに空気団というのは
自己が不安定なのでいつも何かに怯えており、人から与えられた何かを信じて
信じてない人にも押し付けて、擬似的に人生の目標や居場所を見つける。
そういう感じの人々の集まりです。
僕は社会的に見てかなり変な人なので
昔から、こういう人々の格好の標的となり、同調圧力で嫌な思いをしてきました。
きちんとした自意識を持って物事を主張する人々と違って、空気団は異物を尊重できないのです。
自分が影響されて相手のような異物になるのが怖いからです。
しかし、主張する内容は一般論であることも多いですし、必ずしも彼らは悪人というわけでもないのです。
だから、悪のキャラクターにしたいなあとは思っていましたが、なかなか形にできずにいました。
で、色読是空という悪役をトップに据えることで、かろうじて悪の組織になりましたが
結局その他大勢って感じの性質のキャラクターたちなので、やっぱり漫画の悪役としては微妙だなって思いました。
ちなみに、あとがきが書くのが遅くなった最大の理由は空気団の説明をどうするか…で
空気団に対する僕の嫌悪感を語るのがめんどうくさかったからです。
長文になるのはわかっていたし、今の僕はもう、仏教哲学とかを習得して
そこそこ仏様のような性格になってきているので、別に恨んでいないのです。
ただ、人生経験を順に作品化していく過程で、避けては通れないモチーフだったので向き合う必要がありました。
これからも自分の精神世界の暗黒面を作品化していくことはあると思います。
@絵について
キャラクターデザインをめんどくさくてサボって描いたら
全体的にデザインがすっげー適当になってしまって失敗でした。
キャラデザ苦手なのでサボりがちですが、まじめにやらないともっとひどくなるので
これからはちゃんとやります。
ペンタッチ的には、ここしばらくの実験が完成をみた感じです。
アウトラインを太くするだけではなく、光源を意識して
左側のアウトラインをより太く、右側はやや太く
というようにすると立体的になって読みやすいです。
ただかなり雑に書き飛ばしてるので、本領発揮はハヴリダ2話からです。ご期待ください。
@まとめ
今回、あとがきは発表前に書かないと書く気なくなるというのが最大の反省点でした。
32ページという長さのわりに、結構楽しく描けました。
作品テーマ自体はかなり好きだったんだと思います。
ハヴリダ以外にも色んなタイプの連載向け世界観を構築してみようという試みの一環ですが
やっぱり連載となるとハヴリダのほうがしっくりくる気がしました。
この作品も2話以降をやるなら、ゆとりちゃんがヒーロー学園みたいなとこにはいって
学園ファンタジーの枠組みでヒーロー界の腐敗と戦っていく、みたいな話にするつもりでしたが
やっぱりルウナ先生みたいな癒やし要素がほしいです。

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