2016年週刊ヤングジャンプ49号に「田中と地獄の冥土カフェ」が掲載されました

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というような感じでございました(過去形)
この漫画はどういう作品かというと、
現代の地獄は今風に発展しており、そこでは冥土カフェで働く鬼がいる
罰するより働かせたほうが人は更生するという現代的な考えから
地獄の冥土カフェで働く事になった少女田中は、
ドSとドMの先輩鬼メイドと働いて、四苦八苦する。
っていうギャグ漫画です。
ど~してもメイドカフェの漫画が書きたかったので
地獄で営業してる冥土カフェとかどうだろうっていうアイデアをひねり出しました。
どうもメイドカフェって作品のメインテーマにはなりづらいらしく
有名な「それ町」でも下町コメディがメインで、メイドはサブ属性なんですよね。
こうしてメイドネタで読切一本書けただけでも奇跡的だと思うので、うれしいです。
さて、今回のエントリーでは担当編集者さんとの打ち合わせ等、掲載にいたるまでの経緯を
振り返ってみたいと思います。


まず、僕の漫画の作り方なんですが、いわゆる「ネーム」より「企画」を重視してます。
企画っていうのはキャラとか舞台設定とか世界観といった基礎部分の設計です。
「がんばって面白い漫画を考える」んじゃなくて、まず、「勝手に面白くなる企画を考える」。
ネームは、企画が完成したあと、力を抜いて自然体で描く。そんなイメージです。
なんか面白くないな~っていうネームをヘタにいじりまわして面白くなった経験はないです。
これまで掲載に至ったレベルの作品は、企画じっくり、ネームは一瞬って感じです。
面白い面白くないという自然の流れに逆らってはいけないのだと思います。
そのため、担当さんにはネームではなく、企画書を提出して話し合うところからスタートします。
ありがたいことにYJの担当さんは優秀な方なので、僕がぼんやり次にやりたいアイデアを伝えると
「作品の枠組み」を整理してくれて、ある程度の筋道を提案してくれるんです。
例えば今回の「田中と地獄の冥土カフェ」ですと
僕の初期アイデアでは、性格そのままでメイン3人はいたけど、枠組みが結構違ってて
3人とも地獄に堕ちた少女、客は現代風地獄で苦しむオタクたち
冥土カフェそのものは地獄で営業してるけど「普通のメイドカフェ」である
変な客がきたり、拷問してる横で客引きしたりして怒られたり大変な目にあう新人メイド田中
っていう企画だったんですが
担当さんは、以下の問題点を見抜きました。
「冥土カフェパートと現代風地獄パートが切り離されているので
現代風地獄ならではの面白い展開を続けてくうちに
メイドカフェパートがいらなくなっちゃうよ」
「地獄のメイドカフェっていうアイデアは良いから
メイドカフェで拷問したほうがシンプルに面白いんじゃないですか?」
あ~!ほんまや~!って感じですよね~。
冥土カフェで拷問。
これ、とにかく無駄が少ないわけですね。こういうのが大事なんです。
メイドも鬼も拷問も初稿段階であったわけですが、地獄に点在してた。
全部メイドカフェで完結させれば、ワンシーンに面白さの密度が高まる!
面白いギャグ頑張って考えるより、そういう、戦力が一点集中するように陣形を組むというか
企画段階での工夫をちゃんとしておいたほうが作品ってよくなる気がします。
もちろん絵もキャラクターもネタも僕が生み出してるとは思うんですけど
こうやって、道筋を整理してもらえれば、漫画家の能力は2倍3倍になるわけです。
編集さんのナビゲートあってこそで、漫画家と編集者は二人三脚なのです。
僕の場合は担当さんにおんぶしてもらってるだけかもしれませんが_(:3 」∠ )_
なんか僕の担当さんが育ててる新人がヤンジャンで次々デビューしてるらしくて
担当さんが北海道の大学行ってらしたことにちなんで
「○○牧場」って呼ばれてるらしいですよ(笑
おまけ


7月に婚活魔女レモン&チェリーという作品でも期待賞&審査員特別賞(リクドウの松原利光先生に!!)頂いてました。
こちらは掲載を逃したっぽい雰囲気ですがいつか単行本とかウェブとかで
お見せ出来たらいいのにな~って思ってます。(希望)

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